「草履」(幸田文)
さて、私はどのような季感を…。 「草履」(幸田文)(「台所のおと」)講談社文庫 夫に先立たれた上、病気で寝たきりの息子を抱える野内さんが、「私」のもとへ相談しに来る。金策のために出掛けた電車の中で、若い酔っぱらいに絡まれ...
さて、私はどのような季感を…。 「草履」(幸田文)(「台所のおと」)講談社文庫 夫に先立たれた上、病気で寝たきりの息子を抱える野内さんが、「私」のもとへ相談しに来る。金策のために出掛けた電車の中で、若い酔っぱらいに絡まれ...
音・いい女・離れていく女 「百年文庫005 音」ポプラ社 「台所のおと 幸田文」病床にある佐吉は、台所で働く妻の音を聞こうと寝返りを打つ。妻・あきは、夫の治らざる病状を悟られまいと、気持ちを押しとどめて立ち働く。しかし、...
まずはこの一作から読め!~明治・大正の短編集 以前も書きました。長編小説には長編小説の魅力がありますが、短編には短編のおもしろさがあります。日本語を噛みしめながら読みたい明治・大正期の短編小説集8冊をセレクトしました。 ...
ふしあわせな環境におかれたとき我慢する能力 「濃紺」(幸田文)(「台所のおと」)講談社文庫 孫たちと遊んでいたきよは、仕舞ったままにしていた濃紺の鼻緒の下駄を思い出す。繁柾という木目の細かい高級な下駄であったが、大きなく...
香り立つような日本語 「台所のおと」(幸田文)(「台所のおと」)講談社文庫 「台所のおと」(幸田文)(「百年文庫005 音」)ポプラ社 病床にある佐吉は、台所で働く妻の音を聞こうと寝返りを打つ。妻・あきは、夫の治らざる病...