「日本文学100年の名作第2巻 幸福の持参者」
百花繚乱の相を呈していた、大正期の日本文学 「日本文学100年の名作 第2巻 幸福の持参者」新潮文庫 「島守 中勘助」明治四十四年九月二十三日、ひどい吹きぶりのなかを島へわたった。これから「私」の住居となる家は、ほん...
百花繚乱の相を呈していた、大正期の日本文学 「日本文学100年の名作 第2巻 幸福の持参者」新潮文庫 「島守 中勘助」明治四十四年九月二十三日、ひどい吹きぶりのなかを島へわたった。これから「私」の住居となる家は、ほん...
まずはこの一作から読め!~明治・大正の短編集 以前も書きました。長編小説には長編小説の魅力がありますが、短編には短編のおもしろさがあります。日本語を噛みしめながら読みたい明治・大正期の短編小説集8冊をセレクトしました。 ...
前言撤回!梶井は「檸檬」だけじゃない! 「Kの昇天」(梶井基次郎) (「日本文学100年の名作第2巻」) 新潮文庫 「Kの昇天」(梶井基次郎)(「檸檬」)新潮文庫 「Kの昇天」(梶井基次郎)(「梶井基次郎全集」)ちくま...
本作品には数多くの言霊が宿っている 「桜の樹の下には」(梶井基次郎) (「檸檬」)新潮文庫 「桜の樹の下には 屍体が埋まっている!」 もし、言葉が人を 切り裂く能力を 持っていたとしたなら、 私はこの一文に 一刀両断に...
檸檬…短編で発表してよかった 「密やかな楽しみ」(梶井基次郎) (「梶井基次郎全集」)ちくま文庫 2014年秋、 梶井基次郎の代表作「檸檬」を 一挿話とした未完の中編 「瀬山の話」の草稿が見つかり、 研究が進んでいるとの...
読書は「繋がる」 「檸檬」(梶井基次郎) (「梶井基次郎全集」)ちくま文庫 病弱な「私」は、 檸檬を手にした瞬間から、 抱えていた憂鬱が 晴れていくのを感じる。 平素は避けていた丸善へ行き、 積み上げた書物の上に その檸...
美しいものとそうでないものの混在 「檸檬」(梶井基次郎)(絵:げみ)立東舎 前回、作者・梶井について 「作品の多くに 肺病を患った主人公が登場するため、 何となく病弱な高齢者の イメージを持ってしまう」と 書きましたが、...
「エア・テロリズム」とでも言い表せましょうか 「檸檬」(梶井基次郎) (「檸檬」)新潮文庫 「えたいの知れない不吉な塊」が 心を終始押さえつけていたある日、 「私」はお気に入りの果物屋で 檸檬を一つ買う。 それを握った瞬...