「小区」(林芙美子)
「私」と与一の夫婦、六年間を経て何が変わったのか 「小区」(林芙美子)(「清貧の書・屋根裏の椅子」) 講談社文芸文庫 朝からの長い夫婦喧嘩の後、仲直りを匂わせる夫・与一に対し、「私」の気持ちは収まらない。一日中、二階にと...
「私」と与一の夫婦、六年間を経て何が変わったのか 「小区」(林芙美子)(「清貧の書・屋根裏の椅子」) 講談社文芸文庫 朝からの長い夫婦喧嘩の後、仲直りを匂わせる夫・与一に対し、「私」の気持ちは収まらない。一日中、二階にと...
林芙美子の貧乏小説といえば…、 「牡蠣」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」) 新潮文庫 「牡蠣」(林芙美子)(「清貧の書/屋根裏の椅子」) 講談社現代新書 周吉は西片町の蔦のいっぱい這った運送屋で、たまと二階住いを...
読むたびに想像する楽しみがつきません 「屋根裏の椅子」(林芙美子)(「清貧の書・屋根裏の椅子」) 講談社文芸文庫 煙草はサランボという奴を、まるで飯のように四箱は噛む。それにコニャックの大瓶を二日で空にしてしまい、胸も腹...
新しい世の中で再出発を図るという決意 「晩菊」(林芙美子)(「晩菊/水仙/白鷺」)講談社文芸文庫 「晩菊」(林芙美子)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 きんは、男の初々しさに惹かれていたし、高尚なものにも思って...
件のCMと比べても決して遜色ありません 「晩菊」(林芙美子)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 「晩菊」(林芙美子)(「晩菊/水仙/白鷺」)講談社文芸文庫 きんは、五十六歳になるまで美しさを失わずに生き抜いてきた...
百花繚乱の相を呈していた、大正期の日本文学 「日本文学100年の名作 第2巻 幸福の持参者」新潮文庫 「島守 中勘助」明治四十四年九月二十三日、ひどい吹きぶりのなかを島へわたった。これから「私」の住居となる家は、ほん...
生きる力に満ち満ちているのです。 「田舎言葉」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」)新潮文庫 「わたし」は何度か男と連れ添ったが、結婚式を挙げたことは一度もなかった。好きだった男と一緒に撮った写真すらなかった。いや、...
貧乏を当たり前のものとして受け止めていた 「風琴と魚の町」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」)新潮文庫 「風琴と魚の町」(林芙美子)(「日本文学100年の名作第2巻」) 新潮文庫 行商を営んでいた一家は、尾道に降り...
私生活を切り売りして大成した林芙美子 「魚の序文」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」) 新潮文庫 無職の「僕」は菊子と結婚したものの、食うに困るほどの貧困生活を余儀なくされている。菊子は野草を摘んで食卓に並べたり、...
強いていえば「弱い人間」ということか 「吹雪」「河沙魚」(林芙美子)(「林芙美子短編集」) 北九州市立文学館文庫 出征した夫・万平の戦死の報を受け取ったかねは、女手一つで年寄りと子どもたちを養っていた。やがてかねは、同じ...