「古譚」(中島敦)
この様な作品が生み出されていたこと自体が奇跡 「古譚」(中島敦)(「中島敦全集1」) ちくま文庫 詩人を志した李徵は、その道に挫折し、発狂する。そしてついには闇の中へ消え、その姿は虎に変化する。一年後、明け方に通りかかっ...
この様な作品が生み出されていたこと自体が奇跡 「古譚」(中島敦)(「中島敦全集1」) ちくま文庫 詩人を志した李徵は、その道に挫折し、発狂する。そしてついには闇の中へ消え、その姿は虎に変化する。一年後、明け方に通りかかっ...
で、例によって、よく分かりません。 「文字禍」(中島敦)(「中島敦全集1」)ちくま文庫 国王から文字の霊の研究を命じられた老博士は、図書館で膨大な文献を解読する作業を行う。一つの文字を長く見つめているうちに、文字がバラバ...
わからないなりに愉しむことこそ中島文学の味わい方 「木乃伊」(中島敦)(「中島敦全集1」) ちくま文庫 朝になって思出そうとする昨夜の夢のように、どうしても思出せなかったことが、今は実に、はっきり判るのである。なんだ。こ...
本作品はいったい何を擬えたものか? 「狐憑」(中島敦)(「中島敦全集1」) ちくま文庫 ネウリ部落のシャクに憑きものがしたという評判である。色々なものがこの男にのり移るのだそうだ。鷹だの狼だの獺だのの霊が哀れなシャクにの...
南洋特有の幻想性が強調された作品群 「南島譚」(中島敦)(「中島敦全集2」)ちくま文庫 昔、パラオのある島に一人の哀れな男がいた。男は島で一番貧しく、権力者のもとで奴隷のように使われていた。しかもその上、病に苦しんでいた...
暗い時代に多様性を失わなかった日本文学 「日本文学100年の名作第3巻 三月の第四日曜」新潮文庫 「猫町 萩原朔太郎」詩人の「私」は、散歩の途中で方角が分からなくなり、近所の町でさえ見知らぬ場所に感じる経験を度々...
よく知っている中島とは違う、驚きの作風 「夫婦」(中島敦)(「日本文学100年の名作第3巻」) 新潮文庫 「夫婦」(中島敦)(「中島敦全集2」)ちくま文庫 コシサンの妻エビルはすこぶる多情で、部落の男といつも浮き名を流し...
まずはこの一作から読め!~明治・大正の短編集 以前も書きました。長編小説には長編小説の魅力がありますが、短編には短編のおもしろさがあります。日本語を噛みしめながら読みたい明治・大正期の短編小説集8冊をセレクトしました。 ...
老人の狡猾な面と善良な面との整合性 「雞」(中島敦) (「中島敦全集2」)ちくま文庫 民俗調査のために パラオを訪れている「私」は、 現地の老人マルクープを使い、 資料の収集にあたっている。 老人の仕事はやがて いい加減...
文章の格調の高さと生き方に関わる問題提起 「李陵・山月記」(中島敦)新潮文庫 詩人を志した李徵(りちょう)は、 その道に挫折し、発狂し、 ついには闇の中へ消え、 虎となる。 一年後、 明け方に通りかかった 袁慘(えんさん...