「血の文字」(黒岩涙香)
探偵小説初のトロイカ体制による事件捜査 「血の文字」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 「余」が隣室の目科に付き従って向かったのは、殺人の現場だった。そこには財産持ちの老人が何者かに刺し殺され、さらに血で書か...
探偵小説初のトロイカ体制による事件捜査 「血の文字」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 「余」が隣室の目科に付き従って向かったのは、殺人の現場だった。そこには財産持ちの老人が何者かに刺し殺され、さらに血で書か...
一九〇〇年の世紀末思想を体感する 「暗黒星」(黒岩涙香)(「暗黒星」) 桃源社 「暗黒星!暗黒星!」遙かに天の一方に、怪しき暗黒星が現われたとの信号が、火星世界の天文台から発せられた。此の信号がヒマラヤ山の絶頂にある我中...
日本ミステリ史の原点ともいえる作品集 「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」(黒岩涙香) 論創社 世の人情を穿ち事理を明らかにするものは小説なり。而して小説にもその種類甚だ多くして一概に述べ尽くし難しといえども、多くは淫奔の情態を説く...
欧米のミステリを「翻案」の名の下に「日本仕様」へ 「電気」「広告」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 時は八月の中旬午後三四時と言えば暑き盛りなるべし。殊に昼の頃より天に蒲団のごとき雲広がりて風の道を塞ぎ、今...
これが明治の探偵小説なのです。 「探偵」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 米国オリアン州の警察署内探偵詰所の上座に扣え、余念もなく書類を取り調べ居る老官吏は言わでも著き探偵長ならん。この所へ入り来る一人の探...
ミステリの源流をたどるつもりで味わうべき 「紳士の行ゑ」「間違ひ」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 豪商塩田商会店主丹三が最愛の妻子を残し、行方知れずとなる。それまで家を空けたことのなかった店主の失踪であり...
明治翻案スタイル、十分に味わいましょう。 「幽霊」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 先妻・お塩が生きていることを隠してお年を後添えに貰った夏雄だったが、罪の呵責からか、次第に痩せ細っていく。お塩の帰郷でそれ...
サスペンス、メロドラマ、コント。充溢する涙香の面白さ。 「恐ろしき五分間」「婚姻」「紳士三人」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 わずか五分間と言えばいと短きことなれど、余はその恐ろしさを生涯忘れ得ず。ただ五...
予想は、ことごとく外されてしまいます 「金剛石の指輪」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 競りで購入したダイヤモンドを揃いの指輪に仕立てた新婚夫婦。ところが妻はその指輪をはめて数日後、指が徐々に腫れ、指輪が抜...
すべてはここから始まった~日本ミステリ大河の最初の一滴 「無惨」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 東京築地の川で発見された他殺体。それは多数の傷のある無惨なものだった。死体の手に残る毛髪から、刑事・谷間田は...