「これからの防災・減災がわかる本」(河田惠昭)②

避難の判断はかくも難しいものか

「これからの防災・減災がわかる本」
 (河田惠昭)岩波ジュニア新書

※本記事は
 2017年7月24日付けで
 他のブログに投稿した記事を
 リライトしたものです。

22日の昼から23日にかけての雨は
強烈でした。
私が現在の家に移り住んでから
10年近くになりますが、
このように強い雨が
降り続いた経験はありませんでした。
各地で土砂災害を
引き起こす雨というのは、
こんなに激しいものだったのかと
思った次第です。

それにしても感じたのは、
正確な情報が入らないことと、
避難を決断する材料が
不足していることです。

ネット情報を探しても、
避難情報が16:07のまま
一向に更新されていないので、
最新の情報が分かりませんでした。
数m隣の美郷町金沢地区には
避難指示が昼過ぎから
出されていたのですが、
私の住む横手市金沢地区には
夕方に避難勧告が
出されたようでしたが、
詳細がつかめませんでした。

20時過ぎから広報車が避難について
呼びかけていることが分かりましたが、
あまりにも車が速く、
外に出たときには
通り過ぎている状態でした。
もちろん家の中では激しい雨音で
聞き取ることができません。

ある程度玄関先で待機していると、
広報車は「避難する場合は
(1kmくらい離れている)公民館に
集まること」
「国道が冠水しているため、
乗用車ではなく歩いて
避難すること」を伝えていました。
しかし、年寄りがほとんどの地域で、
激しい雨の夜、
約1kmの距離を
歩いて避難できる人間は
限られています。
私の家も歩行困難な老人1名、
車椅子生活者1名を抱えているため、
判断に迷いました。

そうこうしているうちに、
広報車は「直ちに避難して下さい」と
呼びかけはじめました。
あわてて乗用車に乗り込もうとしたら、
再び広報車がまわってきて、
「避難勧告が出されています。
避難する場合は…」とトーンダウン。

結局我が家は避難を見送り、
眠れない不安な一夜を過ごしました。
隣近所の年寄り世帯も
避難した(できた)家は
ありませんでした。
避難の判断は
かくも難しいものかと
思い知った次第です。

夜が明けて真っ先に
読み始めたのが本書です。
防災・減災の基本が
書かれてある良書です。
避難勧告が
出されていたにもかかわらず、
避難せずに災害に巻き込まれた事例が
いくつか書かれていました。
ぞっとしました。
「避難指示」を待たずに
「避難勧告」の段階で
避難するべきなのでしょう。
まだまだ勉強不足でした。

(2018.11.2)

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