「他人の顔」(安部公房)
気付くと何かがひっくり返っています 「他人の顔」(安部公房)新潮文庫 液体空気の爆発事故で、 重度のケロイド瘢痕を負い、 顔を失ってしまった「ぼく」。 顔の喪失は職場の人間関係を ぎくしゃくさせただけでなく、 妻にも関係...
気付くと何かがひっくり返っています 「他人の顔」(安部公房)新潮文庫 液体空気の爆発事故で、 重度のケロイド瘢痕を負い、 顔を失ってしまった「ぼく」。 顔の喪失は職場の人間関係を ぎくしゃくさせただけでなく、 妻にも関係...
「不条理」ともいえる満州の荒野 「けものたちは故郷をめざす」 (安部公房)新潮文庫 満州で生まれ、両親と死に別れた久三は、侵攻してきたソ連軍将校に引き取られ、生活していた。久三は意を決して満州からの脱出を試みる。国籍不明...
変身願望を暗示している 「チチンデラ ヤパナ」(安部公房) (「カーブの向こう・ユープケッチャ」) 新潮文庫 休暇を利用して 新種の昆虫を探しに砂丘へ来た男。 彼が村の老人から 斡旋された一夜の宿は、 女が一人で住む 砂...
自分の足もとを確認してしまいました 「デンドロカカリヤ」(安部公房) (「水中都市・デンドロカカリヤ」) 新潮文庫 コモン君はある日、 急に地球の引力を知覚し、 気がつくと足が地面にめり込み、 植物になっていた。 しかも...
「砂底の男」は、幸福になれたのかどうか 「砂の女」(安部公房)新潮文庫 砂底に閉じこめられた「男」は、 水の補給を断たれ、 「女」との同居生活に 踏み切らざるを得なくなる。 数度の脱出行動は すべて徒労に終わる。 数ヶ月...
サスペンス・ホラーとしても超一級 「砂の女」(安部公房)新潮文庫 砂丘へ昆虫採集に出かけた「男」は、 砂穴の底に埋もれていく一軒家に 幽閉される。 その家の「女」は、家を守るために 「男」を引き止めておこうとする。 考え...
ミステリーというよりはホラーに近い作品です 「恐怖の映画」(横溝正史) (「殺人暦」)角川文庫 撮影所の倉庫の中で 不倫の清算をしていた 俳優・菅井と監督の妻・蘭子。 そこに監督が現れたため、 菅井はとっさに彼女を 倉庫...
由利・三津木の事件簿07 短篇ならではの面白さが凝縮されています 「猫と蠟人形」(横溝正史)(「由利・三津木探偵小説集成1」) 柏書房 「猫と蠟人形」(横溝正史)(「仮面劇場」)角川文庫 大川の河岸にある洋館から通子が川...
SFです。スピードです。エンタメです。 「押川春浪 青空文庫5作品」 (押川春浪)青空文庫 明治の作家の作品となると 堅くて重いイメージが どうしてもつきまといます。 森鴎外、夏目漱石、 有島武郎、国木田独歩、…。 読み...
怪談のようで怪談ではない 「万国幽霊怪話 抄」(押川春浪) (「日本児童文学名作集(上)」)岩波文庫 重い肺病で明日をも知れない命のペテーは、ピアノの名手クリスチアナ嬢の奏でるピアノの音色を聴くことを望みながら、ブラシア...