「ロボット創造学入門」(広瀬茂男)①

あくまでも実用に適した形を模索する

「ロボット創造学入門」
(広瀬茂男)岩波ジュニア新書

タイトルにひかれて
本書を手にしたのは、
本書発売直後。今から8年前です。
わくわくして
読み進めることができました。
こういう本が、私は大好きです。
今回再読してみても、
やっぱり面白く読むことができました。

第1章
地雷探知除去ロボットをつくろう

地雷除去のための
ロボット製作の経験を紹介しながら、
ロボット開発についての
基本的な考え方を示しています。
あくまでも実用に適した形を模索する。
この基本線が、
著者の思考の根本となっています。

第2章
いろいろなロボットをつくる

ヘビ型ロボットの開発を例に挙げ、
ロボットの動きをどのように
制御しているかについて
解説しています。
正弦波などの理論も登場するため、
この章だけは中高生では
ちょっと難しいかもしれません
(私にも難しかった!)。

第3章
創造的思考法

ロボットからいったん離れ、
ロボット開発に必要な
創造的思考力育成について
述べられています。
ロボットに興味のない方でも、
ここだけは参考になるはずです。

第4章
未来のロボットの形はどうなるか

私たち一般人は、ロボットというと
つい人形ロボットだけを
イメージしてしまいます。
しかしそれは固定観念であり、
それにとらわれると
真に実用的なロボットは
つくることができないということを
力説しています。

第5章
未来のロボットの心はどうなるか

ロボットの行動原理についての
解説ですが、それはそのまま
国家間の関係の原理にも
つながっていました。
社会科学の知見にも
ふれることができました。

第6章
ロボット・クリエーターになるには

ここも中学生高校生に
ぜひ読んでほしいところです。
今日から勉強を
がんばらなければ、という気持ちに
なれるのではないかと思うのです。

著者はどんな人物か調べてみると…。
日本のロボット工学者。
独創的なロボットを多数開発している
ロボット工学の世界的権威。
東京工業大学名誉教授、
同大学工学博士。
ヘビ型ロボットを始め、
歩行ロボット、惑星探査ロボット、
地雷探査ロボット、全方向移動ロボット、
ロボット要素、等で多くの業績がある…。
こんなすごい人が書いていたのか!

(2019.5.22)

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