「それから」(夏目漱石)②
そして彼の思想は誰にも理解されない 「それから」(夏目漱石)新潮文庫 夏目漱石「それから」について、 前回は主人公の 労働観について書きました。 食うための労働を、 代助は「人間的ではない」と 否定しています。 労働だけ...
そして彼の思想は誰にも理解されない 「それから」(夏目漱石)新潮文庫 夏目漱石「それから」について、 前回は主人公の 労働観について書きました。 食うための労働を、 代助は「人間的ではない」と 否定しています。 労働だけ...
代助の労働観は時代を大きく超越している 「それから」(夏目漱石)新潮文庫 働きもせずに 親の金で生活をしている代助は、 友人平岡と再会する。 平岡の妻・三千代は、 かつて代助が 恋心を抱いた相手だった。 生活に困窮する平...
「猫」が「陽」であれば本作品は明らかに「陰」 「道草」(夏目漱石)新潮文庫 前回、 「心が消化不良を起こしてしまった」と書き、 その原因の一つとして 「完結せず終わる筋書き」をあげました。 原因はもう一つあります。 登場...
世の中に片付くなんてものは殆んどありゃしない 「道草」(夏目漱石)新潮文庫 海外留学から帰国し、 大学に勤めている健三は、 ある日、 絶縁した元養父の島田と会う。 かつての縁を種に 金をせびろうとする島田。 それだけでな...
わからなくてもいいのです、夢ですから 「夢十夜」(夏目漱石)(絵:しきみ)立東舎 前回、本作品について、 「漱石が何かを包み込んで 潜ませていると考えるべき」と 書きながらも、 「詳しいことは研究者に まかせた方がいいの...
作品の深奥に、漱石が何かを潜ませている 「夢十夜」(夏目漱石)(「文鳥・夢十夜」)新潮文庫 死ぬ間際の女の枕元に 座っている「自分」は、 その女から「百年待っていてくれ」と 頼まれる。 「自分」は彼女の体を、 真珠貝で掘...
漱石の人柄が滲み出たような淡々とした文章 「硝子戸の中」(夏目漱石)新潮文庫 何度読んでもいい文章です。 夏目漱石の随筆集。 病を患い、静養中に書かれたもので、 自宅の「硝子戸」の「中(うち)」から 見える世間と 自分と...
行間から漱石の慟哭が聞こえる 「坊っちゃん」(夏目漱石)新潮文庫 東京物理学校を 卒業したばかりの「おれ」は、 四国松山の旧制中学の教壇に立つ。 子どもの頃から無鉄砲で 直情型の「おれ」は、 手の焼ける生徒たち、 臆病で...
漱石の小説のテーマは、すべて現代に通じている 「草枕」(夏目漱石)新潮文庫 「山路を登りながら、 こう考えた。 智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい。」...
多くは画家の口から語られる芸術論です 「草枕」(夏目漱石)新潮文庫 山中の温泉宿に投宿した 画家の「余」は、その宿の 「若い奥様」・那美と知り合う。 出戻りの彼女は、「余」にとって 「今まで見た女のうちで 最も美しい所作...