「青い鳥」(メーテルリンク)
江國香織訳、受ける印象がまったく異なります。 「青い鳥」(メーテルリンク/江國香織訳) 講談社文庫 クリスマスイヴ、貧しい木こりの子・ティルティルとミティルの部屋に現れた妖精は、二人に告げる。「お前たちにちゃんとした青い...
江國香織訳、受ける印象がまったく異なります。 「青い鳥」(メーテルリンク/江國香織訳) 講談社文庫 クリスマスイヴ、貧しい木こりの子・ティルティルとミティルの部屋に現れた妖精は、二人に告げる。「お前たちにちゃんとした青い...
想像をかき立てるブラフマン、そして作品世界 「ブラフマンの埋葬」(小川洋子) 講談社文庫 夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような...
複雑系主人公をそのまま受け止める 「ピアニッシシモ」(梨屋アリエ) 講談社文庫 隣家から運び出されたピアノが縁となり、松葉は同じ歳の紗英と出会う。彼女は高慢で自信家であり、松葉とは正反対の性格だった。しかし松葉は紗英の弾...
「七月」「八月」、合わせ鏡のように一対となった恐怖 「七月に流れる花/八月は冷たい城」(恩田陸)講談社文庫 「みどりおとこ」から渡された夏流城での林間学校への招待状。ミチルは訳もわからないまま五人の少女たちとともに閉鎖さ...
ファンタジー、いや妄想 「太陽の塔」(森見登美彦)新潮文庫 彼女の名前は水尾さんという。長きに亘り、私は「水尾さん研究」を行ってきた。作成されたレポートは十四にのぼり、四百字詰め原稿用紙に換算して二百四十枚の大論文である...
「災害時における人間のあるべき姿」の体現 「小説 すずめの戸締まり」(新海誠) 角川文庫 鈴芽の見つけた古い扉。その扉の向こうに足を踏み入れようとした鈴芽だったが、向こう側に広がっている奇妙な世界へは行くことができなかっ...
異質な人たちとの素敵な邂逅 「海」(小川洋子)新潮文庫 婚約者の泉さんの実家を訪れた「僕」。その晩、「僕」は彼女の「弟」の部屋で寝ることになる。楽器奏者だと「弟」は告げるが、部屋には音楽に関わるものは何一つ見当たらない。...
難しい家族の「絆」、でもほんのりハッピーエンド 「家族シアター」(辻村深月) 講談社文庫 姉・由紀枝の結婚式。姉からの手紙を読んだ「私」は、中学校時代を思い出す。当時、由紀枝は「真面目な子」だった。それは「イケてない」こ...
味わいどころはずばり、「迷える大学生の姿」。 「動物学科空手道部卒業高田トモ!」(片川優子)双葉文庫 三年生となったトモは、研究室と空手道部との両立に悩む。研究室での実験動物の当番が忙しく、空手の練習になかなか参加できな...
味わうべきは文章、情感、作者の感受性。 「ここはとても速い川」(井戸川射子)(「ここはとても速い川」)講談社文庫 抜けていった乳歯は昔バザーで買った、カバン型の指輪ケースに入れていってんねん。水色で金色のビーズが付いて、...