「夏草」(大城立裕)
性が生へと昇華していく 「夏草」(大城立裕)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 砲弾の雨が降り注ぐ沖縄。娘と息子を失った「私」は、妻と二人きりで彷徨っていた。食糧も尽きた。死んだ一人の兵士の腰元を見ると、そこ...
性が生へと昇華していく 「夏草」(大城立裕)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 砲弾の雨が降り注ぐ沖縄。娘と息子を失った「私」は、妻と二人きりで彷徨っていた。食糧も尽きた。死んだ一人の兵士の腰元を見ると、そこ...
闖入「家族」の暗示するもの 「闖入者」(安部公房)(「水中都市・デンドロカカリヤ」) 新潮文庫 「闖入者」(安部公房)(「暴走する正義」)ちくま文庫 一人暮らしの「ぼく」の部屋に、ある夜突然、九人家族が「闖入」し、部屋の...
安部が拡大鏡で提示したもの 「密会」(安部公房)新潮文庫 ある日早朝突然、救急車で連れ去られた「妻」。「男」は「妻」を探すために巨大病院に乗り込むが、彼の行動は逐一監視されていた。盗聴テープをもとに、自らの行動を記述し報...
いや、読むことはあまりお薦めしませんが 「犬」(中勘助)(「犬 他一篇」) 岩波文庫 回教徒軍の若者に陵辱された娘は、それでもその若者に思いを寄せる。娘の告白を聞いた僧は、嫉妬と色欲に狂い、娘を我が物にしようとする。僧は...
木下順二は民衆の願いに寄り添いながらも 「夕鶴」(木下順二)(「夕鶴・彦市ばなし」)新潮文庫 妻・つうの織り上げる反物によって財をなした与ひょう。その反物は幻の「鶴の千羽織」であり、都では千両で売れるのだという。つうはす...
単なる民話集ではありません 「夕鶴・彦市ばなし」(木下順二) 新潮文庫 寝てばかりで働こうとしない怠け者・三年寝太郎。近所の働き者・勘太が蓄財したのを聞き、自分は働かずに身代を作ろうと考える。さっそく「火に掛けずとも煮炊...