「陰獣」(江戸川乱歩)
単なる猟奇的小説ではありません。傑作です。 「陰獣」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第3巻」)光文社文庫 「かつて捨てた男・平田から脅迫されている」。静子から打ち明けられた寒川は驚く。その男は謎の探偵作家といわれる大江春...
単なる猟奇的小説ではありません。傑作です。 「陰獣」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第3巻」)光文社文庫 「かつて捨てた男・平田から脅迫されている」。静子から打ち明けられた寒川は驚く。その男は謎の探偵作家といわれる大江春...
異常性癖という、もう一つの「乱歩らしさ」 「湖畔亭事件」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第2巻」)光文社文庫 湖畔亭に滞在していた「私」は、刺激を求めるあまり、得意のレンズの仕掛けを拵え、風呂の脱衣場を覗くことを試みる。...
乱歩の創造に、読み手の想像が刺激されます 「空気男」(江戸川乱歩)(「合作探偵小説コレクション②」) 春陽堂書店(「江戸川乱歩全集第2巻」)光文社文庫 同じ下宿屋の隣どうしの北村五郎と柴野金十は、お互いに暇を持て余してい...
乱歩らしい「異常嗜好」がこれでもかと現れている 「闇に蠢く」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第2巻」)光文社文庫 画家・野崎三郎には異性に対して独特の嗜好があった。顔に代表される容姿そのものよりも、肉体そのものの美しさに...
問題になるのは終末部の妻の描写です。 「火星の運河」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第3巻」)光文社文庫 又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦かせた。にぶ色の暗が私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂も、触...
宮崎駿の類い希なる空想力 「ぼくの幽霊塔」(宮崎駿)(「幽霊塔」)岩波書店 今から六十年もむかし、町の小さな貸本屋でぼくは江戸川乱歩の「幽霊塔」に出会った。それはものすごくおもしろく、こわくて美しかった。気に入ったところ...
乱歩版簡略化の「ひずみ」 「幽霊塔」(黒岩涙香)(「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」) ちくま文庫 「幽霊塔」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第11巻」) 光文社文庫 「幽霊塔」(江戸川乱歩)岩波書店 叔父が購入した屋...
限りなく乱歩色に染まった「幽霊塔」 「幽霊塔」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第11巻」) 光文社文庫 叔父が購入した屋敷は、過去に起きた忌まわしい事件のために「幽霊塔」と呼ばれていた。その屋敷の下検分を命じられた「私」...
あまりの異様さ、あまりの美しさ、あまりのおぞましさ 「パノラマ島奇譚」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第2巻」)光文社文庫 壮大な地上の楽園建設の夢想をしていた人見廣介は、学生時代に自分と瓜二つだった資産家・菰田源三郎の...
乱歩の「妙な味」のない本格作品 「灰神楽」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第3巻」)光文社文庫 机上にあった拳銃で、ものの弾みで一郎を殺害してしまった庄太郎。一郎は彼のパトロンであったが、片意地の悪い性格でいつも彼を困ら...