カテゴリー: 32 フランス文学
「一少女の告白」(プルースト)
「私」はなぜ死ななければならなかったのか? 「一少女の告白」(プルースト/窪田般彌訳)(「楽しみと日々」)福武文庫 私がお話しするのはこれが最後というわけではありません。前にも申し上げましたが、惜しいところで死にそこねた...
「コーヒー沸かし」(ゴーチェ)
どこかユーモラスで滑稽な「怪奇幻想小説」 「コーヒー沸かし」(ゴーチェ/田辺貞之助訳)(「死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇」) 岩波文庫 時計が十一時を打った。最後の振動がいつまでもひびいていた。そして、それがまったく消え...
「ことづて」(バルザック)
その疑問こそが、19世紀パリの愛と残酷さを味わう入り口 「ことづて」(バルザック/宮下志朗訳)(「グランド・ブルテーシュ奇譚」) 光文社古典新訳文庫 乗合馬車の屋上席での旅をしていた「わたし」は、臨席の青年と親密になる。...
「スマラ(夜の霊)」(ノディエ)
夢の中で揺らいでいく自我を疑似体験 「スマラ(夜の霊)」(ノディエ/篠田知和基訳)(「ノディエ幻想短篇集」)岩波文庫 人の想像力は眠っているあいだに、その自由で孤独な魂の力によって、精霊たちの至福に参加する。魂は彼らとと...
「ドン・ジュアン」(モリエール)
危険な自由人、その名はドン・ジュアン 「ドン・ジュアン」(モリエール/鈴木力衛訳)岩波文庫 希代の女たらしドン・ジュアンは、狙いをつけていた娘をたぶらかすことに失敗し、その後に出会った田舎娘二人も口説き落とせず、気が立っ...
「二人一役」(ゴーチェ)
何と「堕天使」ならぬ「恋のキューピッド」 「二人一役」(ゴーチェ/田辺貞之助訳)(「死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇」) 岩波文庫 メフィストフェレスの役で一躍売れっ子となった若い俳優ハインリッヒは、居酒屋に集まった仲間た...
「百年文庫063 巴」
巴里を舞台に描かれる、人間のもっとも根源的な感情 「百年文庫063 巴」ポプラ社 百年文庫第63巻を読了しました。テーマは「巴」。といっても日本の伝統文様としての「巴(ともえ)」(コンマのような文様)のことではありません...
「ミミ・パンソン」(ミュッセ)
そもそも「ミミ」とはどんな人物か? 「ミミ・パンソン」(ミュッセ/佐藤美枝訳)(「百年文庫063 巴」)ポプラ社 医学生・ウジューヌは、美徳と誠実を貫くようにして生きていた。彼はお節介な友人からお針子・ミミ・パンソン嬢を...
「オノレ・シュブラックの失踪」(アポリネール)
擬態して周囲と同化する力=消滅(ディスパリション) 「オノレ・シュブラックの失踪」(アポリネール/菅野昭正訳)(「集英社ギャラリー世界の文学8」) 集英社 綿密きわまる捜査にもかかわらず、警察は、オノレ・シュブラックの失...










