「帰宅」「小さな弟」「いちばん罪深い者」「ふたりの乞食」「強情な娘」「老人の死」(フィリップ)
誰にも教えず一人でこっそり愉しみたい作家 「帰宅」「小さな弟」「いちばん罪深い者」「ふたりの乞食」「強情な娘」「老人の死」(フィリップ/山田稔訳)(「百年文庫043 家」)ポプラ社 四年ぶりに家に帰ってきたラルマンジャは...
誰にも教えず一人でこっそり愉しみたい作家 「帰宅」「小さな弟」「いちばん罪深い者」「ふたりの乞食」「強情な娘」「老人の死」(フィリップ/山田稔訳)(「百年文庫043 家」)ポプラ社 四年ぶりに家に帰ってきたラルマンジャは...
彼女がこれほどまでに働き続けた理由は何か? 「素朴なひと」(フローベール/谷口亜沙子訳)(「三つの物語」)光文社古典新訳文庫 無学の貧しい娘フェリシテは恋人テオドールに裏切られるが、オーバン夫人に雇われ、召使いとして献身...
そんな童話があるのか?あるのです。 「眠れる森の美女(作品集)」(ペロー/村松潔訳)新潮文庫 「眠れる森の美女」生まれてきた王女は、仙女によって百年の眠りをもたらさせる運命を背負う。十五、六歳で眠りについた王女を、百年後...
名作「狭き門」、その「わからなさ加減」 「狭き門」(ジッド/山内義雄訳) 新潮文庫 美しい従姉アリサに恋心を抱いた「わたし」。周囲も二人が結婚することを疑わない。しかしアリサは「わたし」を深く愛しながらも、「わたし」の愛...
「現実」と「異世界」の間にある「壁」 「百年文庫076 壁」ポプラ社 「ヨナ カミュ」…カンヴァス、それは全然白のままだった。その中央にヨナは実に細かい文字で、やっと判読できる一語を書き残していた。が、その言葉は、sol...
犯した場合には生命をもって償わなければならない 「百年文庫020 掟」(ポプラ社) 「爪王 戸川幸夫」鷹匠は若鷹に「吹雪」と名附けた。命名は野生との訣別を意味する。鷹匠の家族の一員としての再出発であった。忍従の歳月だった...
「野」に出る人は、孤高な魂の持ち主 「百年文庫070 野」ポプラ社 「ベージンの野 トゥルゲーネフ」夏の夜の道に迷った「私」は、ベージンの野と呼ばれる草原へ出てしまう。そこでは土地の子どもたち五人が朝まで馬番をしていた。...
孤高の人間の魂が炙り出されてくるよう 「海辺の悲劇」(バルザック/水野亮訳)(「百年文庫020 掟」)ポプラ社 案内人は迂回路を選択したが、「ぼく」とポーリーヌは岬を通る道を選ぶ。そこにはある男がいるのだという。案内人の...
フィトンチッドのような一冊、読書による森林浴 「百年文庫018 森」ポプラ社 「ロイド老嬢 モンゴメリー」老嬢ロイドは、村にやってきた音楽教師グレーに心を奪われる。グレーは、老嬢がかつて愛した男性の娘だったからだ。彼女に...