「ベージンの野」(トゥルゲーネフ)
物の怪と自然、そしてそこに住む人間 「ベージンの野」(トゥルゲーネフ/佐々木彰訳) (「百年文庫070 野」)ポプラ社 夏の夜の道に迷った「私」は、 ベージンの野と呼ばれる 草原へ出てしまう。 そこでは土地の子どもたち...
物の怪と自然、そしてそこに住む人間 「ベージンの野」(トゥルゲーネフ/佐々木彰訳) (「百年文庫070 野」)ポプラ社 夏の夜の道に迷った「私」は、 ベージンの野と呼ばれる 草原へ出てしまう。 そこでは土地の子どもたち...
漱石の人柄が滲み出たような淡々とした文章 「硝子戸の中」(夏目漱石)新潮文庫 何度読んでもいい文章です。 夏目漱石の随筆集。 病を患い、静養中に書かれたもので、 自宅の「硝子戸」の「中(うち)」から 見える世間と 自分と...
漱石の小説のテーマは、すべて現代に通じている 「草枕」(夏目漱石)新潮文庫 「山路を登りながら、 こう考えた。 智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい。」...
多くは画家の口から語られる芸術論です 「草枕」(夏目漱石)新潮文庫 山中の温泉宿に投宿した 画家の「余」は、その宿の 「若い奥様」・那美と知り合う。 出戻りの彼女は、「余」にとって 「今まで見た女のうちで 最も美しい所作...
日常をありのままに描いて小説になる 「流行感冒」(志賀直哉) (「百年文庫004 秋」)ポプラ社 最初の子を 病で死なせてしまった「私」は、 最愛の娘のために、 家族の衛生面に 神経質なまでに気を配る。 流行感冒が町に流...
今日のミステリーの謎解きよりも難解 「笵の犯罪」(志賀直哉) (「清兵衛と瓢簞・網走まで」)新潮文庫 若い奇術師・范は、 ナイフ投げの技が失敗し、 妻を殺してしまう。 笵はすぐに身柄を拘束される。 ところがこの事件は 衆...
堀の傑作「菜穂子」につながる初期2作品 「ルーベンスの偽画」「聖家族」 (堀辰雄) (「菜穂子 他五篇」)岩波文庫 「ルーベンスの偽画」 避暑地・軽井沢にやってきた「彼」は、 母親とともに別荘で過ごしている 「彼女」に片...
「甘い」けれども「潔い」 「チョコレート」(山本有三) (「百年文庫044 汝」)ポプラ社 就職にあふれていた恭一は、 実業家として成功した父親から いつも渋い顔で見られていた。 ある日、彼は父親から 「愛国紡績の専務が...
群集の中に在っての孤独 「青猫」(萩原朔太郎) (「萩原朔太郎詩集」)新潮文庫 前回、萩原朔太郎の 「猫町」を紹介しましたので、 やはりこれを 取り上げなければなりません。 本詩集は「月に吠える」に続く、 著者の第二詩集...
確信犯的な幻影体験なのです 「猫町」(萩原朔太郎) (「日本文学100年の名作第3巻」) 新潮文庫 詩人の「私」は、散歩の途中で 方角が分からなくなり、 近所の町でさえ 見知らぬ場所に感じる経験を 度々してしまう。 「...