「高瀬舟」(森鷗外)
大正五年に森鴎外が投げかけた「問い」 「高瀬舟」(森鷗外) (「山椒大夫・高瀬舟」)新潮文庫 「高瀬舟」(森鷗外)(「森鷗外全集5」)ちくま文庫 高瀬舟護送役の同心・羽田は、これまで見たことのないようすの罪人に立ち会う。...
大正五年に森鴎外が投げかけた「問い」 「高瀬舟」(森鷗外) (「山椒大夫・高瀬舟」)新潮文庫 「高瀬舟」(森鷗外)(「森鷗外全集5」)ちくま文庫 高瀬舟護送役の同心・羽田は、これまで見たことのないようすの罪人に立ち会う。...
さすが鴎外、長編並みの感慨深さ 「じいさんばあさん」(森鴎外) (「阿部一族・舞姫」)新潮文庫 「じいさんばあさん」(森鴎外)(「森鷗外全集5」)ちくま文庫 ある隠居所で一組の老夫婦が暮らし始める。二人は仲睦まじい中にも...
読み手はその狂気と正常の狭間に投げ出される 「昆虫の秩序」(ギャス/楢崎寛訳) (「集英社ギャラリー世界の文学17」) 集英社 引っ越した家には 何の不満もなかった。 ただ一点、毎朝一階の 絨毯のあちこちに 黒い虫の死...
読み手の視点に立った親切な昆虫本 「昆虫はすごい」 (丸山宗利)光文社新書 これは面白かった! ベストセラーになったのも うなずけます! こんなことを言っては何ですが、 自然科学の新書本で、 売れる本は決して多くはありま...
地震予知は本当にできるのか 「地震予知を考える」 (茂木清夫)岩波新書 地震予知は本当にできるのか。 疑問をぬぐい去ることができません。 あれだけ首都直下型地震や 東南海地震を警戒していたのに、 東北地方太平洋沖地震は ...
津波に関する知識の絶対量を増やすことが先決 「津波災害」(河田惠昭)岩波新書 先日の西日本豪雨の際、 避難指示の後に 避難行動をした人の割合・避難率が、 3.4%にとどまることが 報道されていました。 避難が必要なほど ...
本作品はさぶではじまり、さぶで終わっている 「さぶ」(山本周五郎)新潮文庫 昨日取り上げた山本周五郎「さぶ」。 多くの人が 疑問に感じていることがあります。 「この本の主人公は誰?」 タイトルは「さぶ」なのですが、 全面...
栄二の立ち直りが、本作品の読みどころです 「さぶ」(山本周五郎)新潮文庫 若くして腕のいい職人栄二は、 ある事件がもとで 石川島の人足寄場へ送られる。 夢を砕かれ自暴自棄になる栄二。 だが、寄場での さまざまな人間との交...
自然の厳しさは、その一段上に存在していた 「生命の法則」 (ロンドン/大津栄一郎訳) (「20世紀アメリカ短篇選(上)」) 岩波文庫 一族の元族長だった コスターシュ爺さん。 年老いて体の自由が きかなくなった彼は、 ...
「自分が死ぬかも知れない」という想像力の必要性 「焚火」(ロンドン/滝川元男訳) (「百年文庫020 掟」)ポプラ社 北極圏の白夜の中、男は仲間の待つキャンプ地へと向かう。「零下五十度以下では決して一人で旅してはならない...