「少年の日の思い出」(ヘッセ)②
不完全で未成熟な少年の心を疑似体験する 「少年の日の思い出」 (ヘッセ/高橋健二訳) (「教科書名短篇少年時代」)中公文庫 昨日取り上げた本作品。 ノスタルジックに浸って読むと 感動の雨あられなのですが、 ちょっと視点を...
不完全で未成熟な少年の心を疑似体験する 「少年の日の思い出」 (ヘッセ/高橋健二訳) (「教科書名短篇少年時代」)中公文庫 昨日取り上げた本作品。 ノスタルジックに浸って読むと 感動の雨あられなのですが、 ちょっと視点を...
忘れられない表現やセリフが満載です 「少年の日の思い出」 (ヘッセ/高橋健二訳) (「教科書名短篇少年時代」)中公文庫 蝶の標本集めに 夢中になっていた「ぼく」は、 隣に住む優等生のエーミールが 希少種のヤママユガを 手...
男はサディスト、女はマゾヒスト 「幼児狩り」(河野多惠子) (「幼児狩り・蟹」)新潮文庫 「幼児狩り」(河野多惠子)(「日本文学100年の名作第5巻」) 新潮文庫 晶子は幼い女の子を 激しく嫌う一方、男の子には 異様な執...
骨食殻食が表す男女の関係性 「骨の肉」(河野多惠子) (「骨の肉」)講談社文庫 女は、男の残した 荷物の処置に困惑していた。 男に荷物を引き取るよう 連絡する気持ちも持てない。 捨てるのも送るのもいや、 連絡をもらうのも...
では「算用記」の部分は一体どうなのか? 「きりしたん算用記」(遠藤寛子) PHP文芸文庫 天涯孤独の少女・小菊は、 ルチアという女性に 窮地を救われる。 ルチアはキリシタンだった。 小菊の聡明さを見抜いたルチアは、 彼...
時代がようやく「算法少女」に追いついた 「算法少女」(遠藤寛子) ちくま学芸文庫 父・千葉桃三から 算法の手ほどきを受けていた 町娘あきは、ある日、 観音さまに奉納された算額に 誤りを見つけ声を上げた。 それを聞き及ん...
告白によって太宰が達した境地 「燈籠」(太宰治) (「きりぎりす」)新潮文庫 前回取り上げた太宰の「燈籠」。 誰に向かって何を告白しているのか、 考察してみました。 告白の対象は神、告白の内容は、 一度外の世界へと向き始...
告白によってさき子が達した境地 「燈籠」(太宰治) (「きりぎりす」)新潮文庫 貧しい家の娘さき子は、 病院で出会った水野と知り合い、 心惹かれる。 水野が友達と 海へ行く話をしたとき、 楽しそうな様子が 見えなかったこ...