「百年文庫077 青」
この「青さ」と「未熟さ」が眩しい 「百年文庫077 青」(ポプラ社) 「麦藁帽子 堀辰雄」 夏休みの避暑地で、 「私」は少女と念願の再会を果たす。 彼女は「私」の幼馴染みであり、 「私」の年上の友人の妹である。 かつて幼...
この「青さ」と「未熟さ」が眩しい 「百年文庫077 青」(ポプラ社) 「麦藁帽子 堀辰雄」 夏休みの避暑地で、 「私」は少女と念願の再会を果たす。 彼女は「私」の幼馴染みであり、 「私」の年上の友人の妹である。 かつて幼...
「明」と「暗」の重なり合いを描いているのか 「百年文庫046 宵」ポプラ社 「十三夜 樋口一葉」 裕福な家に嫁いだ阿関(おせき)は、 夫の冷たい仕打ちに耐えきれず、 家を飛び出し実家に戻ってきた。 幼児を残し、 二度と帰...
そういう意味で何とも残念な一冊 「人面瘡(作品集)」 (横溝正史)角川文庫 「眠れる花嫁」 警官殺害の現場となった廃屋の アトリエで見つかった女の死体。 数年前にも同じ場所で 凄惨な死体遺棄事件があった。 驚くべきことに...
金田一ファン・横溝ファン必携の一冊 「真説 金田一耕助」(横溝正史)(「横溝正史エッセイコレクション③」) 柏書房 「真説 金田一耕助」(横溝正史) 角川文庫 日本の誇る推理小説の探偵として、乱歩の明智小五郎と双璧をなす...
なぜ「善いこと」なのか?何が「善いこと」なのか? 「鷲の巣」 (ビョルンソン/宮原晃一郎訳) 青空文庫 村の懸崖の岩角にある鷲の巣。 鷲は子羊や子山羊を襲い、 厄災をもたらしていた。 村にはかつて勇敢な兄弟が 岩肌をよ...
壮大なドラマを見たかのような錯覚を覚えます 「父親」(ビョルンソン/山室静訳) (「百年文庫051 星」)ポプラ社 息子が誕生したトオルは、 さっそく村の教会へ 洗礼の日取りを相談しに行く。 彼は堅信礼、そして婚礼と、 ...
時代に先駆けた草食系男子・鮎太 「あすなろ物語」(井上靖)新潮文庫 前回取り上げた 「あすなろ物語」第一・二編。 続く第三・四編もまた、 鮎太に大きく関わるのは女性です。 「漲ろう水の面より」 高等学校を卒業した鮎太21...
鮎太に対して大きな影響を与える冴子と雪枝 「あすなろ物語」(井上靖)新潮文庫 祖母りょうと土蔵で 二人暮らしをしていた 13歳の鮎太のもとで、 19歳の少女・冴子が同居を始める。 冴子は鮎太に話す。 「あすは檜になろうと...
桂井と沢辺の、男としての在り方 「白梅の女」(円地文子) (「百年文庫010 季」)ポプラ社 前回取り上げた本作品、 私がもう一つ注目したのは、 たか子と関わる二人、 熱い恋に落ちた桂井と、 夫となった沢辺の、 男として...
たか子は「紅梅」なのか「白梅」なのか 「白梅の女」(円地文子) (「百年文庫010 季」)ポプラ社 夫と死別した後、 静かな生活を送るたか子のもとに、 突然桂井の訃報が届く。 たか子は学生時代、 師であった桂井と 身を投...