「あいうえおの本」(安野光雅)
よく見るといろいろなことに気付かされます 「あいうえおの本」(安野光雅) 福音館書店 安野光雅のイラストが大好きです。近年、新潮文庫の夏目漱石全17冊の表紙装丁画が安野光雅で統一されましたので、すべて買い直しました。 さ...
よく見るといろいろなことに気付かされます 「あいうえおの本」(安野光雅) 福音館書店 安野光雅のイラストが大好きです。近年、新潮文庫の夏目漱石全17冊の表紙装丁画が安野光雅で統一されましたので、すべて買い直しました。 さ...
「わたし」もまた墜落した存在 「空の飛びかた」(メッシェンモーザー/関口裕昭訳) 光村教育図書 ある日の散歩中、「わたし」は一羽のペンギン「やつ」と出会う。「やつ」は墜落したのだという。そして「やつ」は大真面目で空を飛べ...
心に突き刺さる作者の指摘 「わたしのせいじゃない」(レイフ・クリスチャンソン/ 二文字理明訳/ ディック・ステンベリ絵) 岩崎書店 学校の教室で一人の男の子が泣いている。14人の級友たちはその状況に対してそれぞれ答える。...
「ゴルトベルク」が少年の名前だったとは 「ゴルトベルク変奏曲」 (セレンザ/藤原千鶴子訳) (絵:キッチェル)評論社 不眠症の伯爵のために、 ゴルトベルク少年は ハープシコードを演奏する。 だが伯爵の要求は 次第に難度を...
偉大な芸術家たちの心温まる友情 「展覧会の絵」 (セレンザ/藤原千鶴子訳) (絵:キッチェル)評論社 建築家兼画家の ハルトマンが急死し、 親友である 作曲家・ムソルグスキーは 自宅に閉じこもる。一方、 もう一人の親友・...
「人と異なるもの」が現れるのはいつも「月の美しい晩」 「赤い蠟燭と人魚」 (小川未明)(絵:酒井駒子)偕成社 陸に産み落とされた 人魚の赤ん坊は、 通りかかった蝋燭売りの 老夫婦に拾われ、育てられる。 美しい娘に成長した...
ただふたつの生き物の姿だった。 「あらしのよるにⅡ」 「あらしのよるにⅢ」 (きむらゆういち)講談社文庫 本能を乗り越えて 秘密の友だちとなった ガブとメイ。 しかし、オオカミとヤギ、 それぞれの仲間が 2匹を許すはずが...
何を重ね合わせるかによって見えるものがちがう 「あらしのよるにⅠ」 (きむらゆういち)講談社文庫 激しい嵐の夜、 白いヤギはやっとの思いで 丘の下の小さな小屋に潜り込む。 やがてそこにもう一匹、 嵐を逃れた 来訪者がやっ...
湯本香樹実の文と酒井駒子の絵が織りなす極上の絵本 「くまとやまねこ」 (湯本香樹実・酒井駒子) 河出書房新社 なかよしのことりを失ったくまは、小さな木の箱をつくり、ことりを入れた。そして自分の家に閉じこもるようになった...
テーマは「怒りとのつきあい方」 「ころべばいいのに」 (ヨシタケシンスケ)ブロンズ新社 自分をいやな気持ちにさせる 周囲の人たちに対して 「いしにつまずいて ころべばいいのに」と 考える「わたし」。 最初は嫌いな人に対す...