「破戒裁判」(高木彬光)
語り手「私」による法廷実況中 「破戒裁判」(高木彬光)角川文庫 裁判を劇にたとえるなら、その主役は、ほとんどすべての場合が被告人である。ただ、この〈破戒裁判〉だけは、私も主役が弁護人だったと認めないわけにはいかない。百谷...
語り手「私」による法廷実況中 「破戒裁判」(高木彬光)角川文庫 裁判を劇にたとえるなら、その主役は、ほとんどすべての場合が被告人である。ただ、この〈破戒裁判〉だけは、私も主役が弁護人だったと認めないわけにはいかない。百谷...
百谷弁護士の活躍場面はどこ? 「誘拐」(高木彬光)角川文庫 悪徳金融業者・井上の一人息子が誘拐される。警察が捜査を進めるが、その中で井上家のスキャンダルが次々に発覚していく。犯人の用意周到な手口に翻弄される捜査陣。まった...
作品構成そのものが「トリック」となる革新的スタイル 「アクロイド殺し」(クリスティ/羽田詩津子訳) ハヤカワ文庫 義子・ラルフによる犯行かと思われたアクロイド氏殺害事件。「わたし」を含めた関係者の誰もがラルフの無実を信じ...
ASDと非ASDの異文化コミュニケーションの必要性 「はじめてまなぶ自閉スペクトラム症」(本田秀夫)金剛出版 どんな人でもASD的な側面と非ASD的な側面を併せもっていて、その濃さ(程度)の割合が人によって違う、と考えて...
十八歳以降を見据えた進路指導の大切さ 「特別支援が必要な子どもの 高等学校進学の話」(山内康彦) WAVE出版 特別支援が必要な子どもは、決してできない子どもではありません。「定型発達の子どもに比べて、身につくのに時...
格調高き文体から繰り出される「ジョーク」 「喜寿童女」(石川淳)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 「わたし」が手に入れた古書「妖女伝」には、喜寿祝いの夜、忽然と姿を消した江戸の名妓・花女の「その後」が書かれてあ...
それは「真」か「偽」か?「信頼できない語り手」の「わたし」 「ライジーア」(ポー/巽孝之訳)(「黒猫・アッシャー家の崩壊」) 新潮文庫 才色兼備の妻・ライジーア。病を得た彼女は、「人間は天使にも死神にも惨敗することはない...
カムフラージュに見えて実は伏線 「さぼてんの花」(深尾須磨子)(「百年文庫063 巴」)ポプラ社 あなたはわたしというものに愛想をつかすだろうか。いかに相弟子とはいいながら、はじめて逢った彼に、しかも異邦人の彼に送って貰...
これは「食レポ」ならぬ「殺レポ」か? 「日本に於けるクリップン事件」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅡ」)中公文庫 クラフト・エビングに依って「マゾヒスト」と名づけられた一種の変態性慾者は、云う迄もなく異性に虐待される...
不条理な状態も慣れ次第で当たり前 「耳の値段」(安部公房)(「R62号の発明・鉛の卵」)新潮文庫 ある善良な大学生が、なにかのはずみで留置場にほうりこまれた。なぜそういうことになったのか、思い当るふしはぜんぜんなかった。...