「おれがあいつであいつがおれで」(山中恒)
「らしさ」に直面する、入れ替わった二人 「おれがあいつであいつがおれで」 (山中恒)角川文庫 さえない男の子・斉藤一夫のクラスに 斉藤一美という女の子が 転校してきた。 一夫と一美は 同じ幼稚園に通っていた仲だった。 ...
「らしさ」に直面する、入れ替わった二人 「おれがあいつであいつがおれで」 (山中恒)角川文庫 さえない男の子・斉藤一夫のクラスに 斉藤一美という女の子が 転校してきた。 一夫と一美は 同じ幼稚園に通っていた仲だった。 ...
「脅威」に立ち向かう人間の姿 「小説 君の名は。」(新海誠)角川文庫 山深い田舎町に暮らす 女子高生・三葉は、 自分が男の子になる夢を見る。 一方、 東京で暮らす男子高校生・瀧も、 山奥の町で自分が 女子高生になる夢を見...
渾身すぎてかえってぎくしゃくしている本作品 「虞美人草」(夏目漱石)新潮文庫 本書のカバー裏を見ると、 「東大教師を辞め 職業作家になる道を選んだ 漱石渾身の一作」とあります。 しかし、各種の書評を見る限り、 渾身すぎて...
揺れ動く小野の心 「虞美人草」(夏目漱石)新潮文庫 優秀な成績で大学を卒業した 青年・小野の心は、 二人の女性の間で揺れ動く。 一人は我儘で美しい女・藤尾。 もう一人は恩師の娘で 奥ゆかしい小夜子。 かつて小野は小夜子の...
「本当の自分」なるものがあるのかどうか 「ひょっとこ」(芥川龍之介) (「芥川龍之介全集1」)ちくま文庫 ひょっとこの面をつけて 酔っ払いながら踊っていた男が、 伝馬船の中で転げ落ちる。 男は山村平吉45歳。 酒癖は悪く...
教師の存在価値は、大正時代も低かった 「毛利先生」(芥川龍之介) (「芥川龍之介全集2」)ちくま文庫 中学生時代に臨時講師として 赴任した英語担当の 老教師・毛利先生を、 「自分」を含めた多くの学生が 嘲笑する。 しかし...
戦争が破壊したものは 「肉体の悪魔」(ラディゲ/中条省平訳) 光文社古典新訳文庫 あのとんでもない時期に 僕に降りかかった厄災は、 ふつう十二歳という年齢では まず経験しないものだ。 僕は子供として 振る舞うほかなか...
主人公「僕」の性格設定は、作者ラディゲそのもの 「肉体の悪魔」(ラディゲ/中条省平訳) 光文社古典新訳文庫 15歳の「僕」が出会った 19歳の美しい女性・マルトには すでに婚約者がいた。 マルト結婚後、 二人は急速に...
本好きのあなたのための一冊 「天国の本屋」(松久淳+田中渉)新潮文庫 就職先の決まらない 大学4年生のさとしは、 ある日アロハシャツの 不思議な老人ヤマキと出会う。 ヤマキに連れてこられた先は 何と天国。そこにある本屋 ...
大人のための、ちょっとだけ甘い恋物語 「四月ばーか」(松久淳+田中渉)講談社文庫 守山亨のマンションへ同じ日に偶然、 大学時代の二人の親友が訪ねてくる。 「女癖は悪いが 腕は確かな」美容師・今野新一と、 3年ぶりに海外か...