「電報」(黒島伝治)②
これは明治・大正期だけのことなのだろうか 「電報」(黒島伝治) (「百年文庫083 村」)ポプラ社 前回この作品を取り上げ、 「あまりにも悲惨な明治・大正期の 労働者の実態」と書きました。 そしてこれは明治・大正期だけの...
これは明治・大正期だけのことなのだろうか 「電報」(黒島伝治) (「百年文庫083 村」)ポプラ社 前回この作品を取り上げ、 「あまりにも悲惨な明治・大正期の 労働者の実態」と書きました。 そしてこれは明治・大正期だけの...
いくら働いても貧乏から抜け出せない 「電報」(黒島伝治) (「百年文庫083 村」)ポプラ社 いくら働いても 貧乏から抜け出せない 百姓・源作は、 息子にはこのような暮らしは させたくないと願い、 息子を中学校へ通わせよ...
忘れても俺の芸の皮なんぞ真似しなさんな 「置土産」(正岡容) (「百年文庫004 秋」)ポプラ社 両親を亡くし、師匠とも死別した若い講釈師・万之助。彼に声をかけたのは人・如燕師匠。秘伝の「百猫伝」を教えるという言葉につら...
私たちの生き方すべてに当てはまる真理 「初看板」(正岡容) (「圓太郎馬車」)河出文庫 ひょんなことから 噺家となってしまった「私」。 ちやほやされたのを真に受け、 まともに勉強しなかった ツケが回って、「私」の噺は 誰...
傍目には凡庸に見える婿養子が藩の危機を救う 「松風の門」「狐」(山本周五郎) (「松風の門」)新潮文庫 亡父の後を継ぎ、 藩主として国入りした 伊達宗利は、 幼少の頃に剣を競い合った 小次郎の顔が見えないことに 不審を抱...
これこそ人情物語の王道です 「山椿」(山本周五郎) (「百年文庫002 絆」)ポプラ社 作事奉行梶井主馬は きぬと結婚するが、 きぬは夫を頑なに拒み続ける。 ある夜、 主馬が部屋の襖を開けると、 きぬは夜具の上に座り、 ...
貧困が心の荒廃を招くのです 「二十六人とひとり」 (ゴーリキー/木村彰一訳) (「百年文庫011 穴」)ポプラ社 地下室で巻きパンを焼く 「囚人」と呼ばれる 26人の男たちにとって、 パンを貰いに訪れる少女ターニャは 神...
革命の嵐を予見していたかのような鋭い視点 「グービン」(ゴーリキー/中村唯史訳) (「二十六人の男と一人の女」) 光文社古典新訳文庫 若い「私」は酒場で知り合った グービンの仕事を 手伝うようになる。 グービンは町の有...
これを心理サスペンスと言わず何と言う 「小さな王国」(谷崎潤一郎)(「日本文学100年の名作第1巻」) 新潮文庫 「小さな王国」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅤ」)中公文庫 貧しい教師・貝島の学級へ、沼倉という生徒が...
壮年男性二人の、母への思慕を交錯させた物語 「吉野葛」(谷崎潤一郎) (「吉野葛・盲目物語」)新潮文庫 後南朝を題材とする歴史小説を かねて構想していた「私」は、 秋の吉野で 案内役の友人・津村から、 彼の母親に関わる ...