「ブラフマンの埋葬」(小川洋子)
想像をかき立てるブラフマン、そして作品世界 「ブラフマンの埋葬」(小川洋子) 講談社文庫 夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような...
想像をかき立てるブラフマン、そして作品世界 「ブラフマンの埋葬」(小川洋子) 講談社文庫 夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような...
防災の視点とボランティアの精神の継承と 「高校生、災害と向き合う」(諏訪清二)岩波ジュニア新書 環境防災課設置の構想が出されたのは二〇〇〇年三月です。それから二年間の準備期間を経て、二〇〇二年四月に一期生を迎え入れました...
一言でいえば、「狂気」の時代です。 「子どもたちの太平洋戦争」(山中恒) 岩波新書 私が生まれたのが一九三一年であり、この年、日本は満州事変と称する戦争を始めていた。それから足かけ一五年、日本は戦争をし続けた。いわゆる一...
「七月」「八月」、合わせ鏡のように一対となった恐怖 「七月に流れる花/八月は冷たい城」(恩田陸)講談社文庫 「みどりおとこ」から渡された夏流城での林間学校への招待状。ミチルは訳もわからないまま五人の少女たちとともに閉鎖さ...
ファンタジー、いや妄想 「太陽の塔」(森見登美彦)新潮文庫 彼女の名前は水尾さんという。長きに亘り、私は「水尾さん研究」を行ってきた。作成されたレポートは十四にのぼり、四百字詰め原稿用紙に換算して二百四十枚の大論文である...
人間と科学の関係性を考える 「科学の方法」(中谷宇吉郎)岩波新書 この書の表題は、「科学の方法」となっているが、いわゆる方法論を説くのが、本書の目的ではない。現代の自然科学の本質はどういうものであり、それがどういう方法を...
空想地球科学の世界を楽しむ 「天変地異の地球学」(藤岡換太郎) 講談社ブルーバックス 天変地異のサイクルを次々にさかのぼっていくことで、そもそも天変地異とは何が起こしているのか、その究極の理由にたどりつきたいというのがこ...
「神の思し召し」の意味するところ 「ねじれ首のジャネット」(スティーブンスン/ 高松雄一・高松禎子訳)(「マーカイム・壜の小鬼 他五篇」) 岩波文庫 スーリス師がおぞましい雰囲気に包まれて生きているのには理由があった...
巴里を舞台に描かれる、人間のもっとも根源的な感情 「百年文庫063 巴」ポプラ社 百年文庫第63巻を読了しました。テーマは「巴」。といっても日本の伝統文様としての「巴(ともえ)」(コンマのような文様)のことではありません...
人体という宇宙を、写真で「読む」 「新 細胞を読む」(山科正平) 講談社ブルーバックス これまでの電子顕微鏡の成果に、先端的顕微鏡が暴き出した知見をも加えて、細胞が私たちのからだの中でどのように活躍しているのか、もう一度...