「ともしい日の記念」(片山廣子)
この新しい年をよろこべ! 「ともしい日の記念」(片山廣子) ちくま文庫 はじめに生れたのは歓びの霊である、この新しい年をよろこべ!ケルトの古い言ひつたへかもしれない、或るふるぼけた本の最後の頁に何のつながりもなくこの暦が...
この新しい年をよろこべ! 「ともしい日の記念」(片山廣子) ちくま文庫 はじめに生れたのは歓びの霊である、この新しい年をよろこべ!ケルトの古い言ひつたへかもしれない、或るふるぼけた本の最後の頁に何のつながりもなくこの暦が...
アンフィテアトロフは油断させて罠を張るタイプ 「乗り合わせた男」(アンフィテアトロフ/高橋知之訳)(「19世紀ロシア奇譚集」) 光文社古典新訳文庫 ルイムスク行きの列車に乗り込んだ万年九等官の「私」は、車内の隅にいた紳士...
何と「堕天使」ならぬ「恋のキューピッド」 「二人一役」(ゴーチェ/田辺貞之助訳)(「死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇」) 岩波文庫 メフィストフェレスの役で一躍売れっ子となった若い俳優ハインリッヒは、居酒屋に集まった仲間た...
「恐怖」、でも最後は…、素敵な作品です。 「荒涼のベンチ」(H.ジェイムズ/大津栄一郎訳)(「ヘンリー・ジェイムズ短篇集」) 岩波文庫 婚約不履行としてケイトから訴えられたハーバート・ドッドは、やむなくその一部を支払い、...
江國香織訳、受ける印象がまったく異なります。 「青い鳥」(メーテルリンク/江國香織訳) 講談社文庫 クリスマスイヴ、貧しい木こりの子・ティルティルとミティルの部屋に現れた妖精は、二人に告げる。「お前たちにちゃんとした青い...
想像をかき立てるブラフマン、そして作品世界 「ブラフマンの埋葬」(小川洋子) 講談社文庫 夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような...
防災の視点とボランティアの精神の継承と 「高校生、災害と向き合う」(諏訪清二)岩波ジュニア新書 環境防災課設置の構想が出されたのは二〇〇〇年三月です。それから二年間の準備期間を経て、二〇〇二年四月に一期生を迎え入れました...
一言でいえば、「狂気」の時代です。 「子どもたちの太平洋戦争」(山中恒) 岩波新書 私が生まれたのが一九三一年であり、この年、日本は満州事変と称する戦争を始めていた。それから足かけ一五年、日本は戦争をし続けた。いわゆる一...
「七月」「八月」、合わせ鏡のように一対となった恐怖 「七月に流れる花/八月は冷たい城」(恩田陸)講談社文庫 「みどりおとこ」から渡された夏流城での林間学校への招待状。ミチルは訳もわからないまま五人の少女たちとともに閉鎖さ...
ファンタジー、いや妄想 「太陽の塔」(森見登美彦)新潮文庫 彼女の名前は水尾さんという。長きに亘り、私は「水尾さん研究」を行ってきた。作成されたレポートは十四にのぼり、四百字詰め原稿用紙に換算して二百四十枚の大論文である...