「魚の序文」(林芙美子)
私生活を切り売りして大成した林芙美子 「魚の序文」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」) 新潮文庫 無職の「僕」は菊子と結婚したものの、食うに困るほどの貧困生活を余儀なくされている。菊子は野草を摘んで食卓に並べたり、...
私生活を切り売りして大成した林芙美子 「魚の序文」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」) 新潮文庫 無職の「僕」は菊子と結婚したものの、食うに困るほどの貧困生活を余儀なくされている。菊子は野草を摘んで食卓に並べたり、...
パズルを組み上げるように紡ぎ出される物語 「天国の本屋 うつしいろのゆめ」(松久淳+田中渉)新潮文庫 暴漢の刃に胸を貫かれたイズミだったが、気がつくと無傷だった。その場にいた謎の老人に促されるまま、彼女はある屋敷にヘルパ...
中学校図書室の本を介しての文通 「サクラ咲く」(辻村深月)光文社文庫 マチが図書室から借りた本に挟まっていた「サクラチル」の細長い紙。それは数日後に借りた別の本からも見つかる。今度は「人にはそれぞれ、向き不向きがあると思...
活版印刷によって形を与えられる「願い」 「活版印刷三日月堂 星たちの栞」(ほしおさなえ)ポプラ文庫 五年ぶりに動かしたという印刷機は、ハルの望む封筒を刷り上げた。かつて両親から贈られたレターセットはここでつくられたのだ。...
ヌマと京子、それぞれが表しているものは 「ヌマ叔母さん」(野溝七生子)(「百年文庫075 鏡」)ポプラ社 外国に行ったきりだったヌマ叔母さんが帰ってきた。ヌマ叔母さんの温かな雰囲気に触れ、鳰子はかつて母が親戚中に言いふら...
佐藤の目にも怪しげなるものが見えていた 「山妖海異」(佐藤春夫)(「夢を築く人々」)ちくま文庫 「山妖海異」(佐藤春夫)(「美しき町・西班牙犬の家」)岩波文庫 鰹船が沖へ急いでいるとき、波間から女の死体が漂い出てくる。関...
怪しげなものが生き生きとしていた明治という時代 「幻談」(幸田露伴)(「日本文学100年の名作第3巻」) 新潮文庫 「幻談」(幸田露伴)(「百年文庫012 釣」)ポプラ社 二日続けてあたりの出なかった釣り客は、終いには竿...
強いていえば「弱い人間」ということか 「吹雪」「河沙魚」(林芙美子)(「林芙美子短編集」) 北九州市立文学館文庫 出征した夫・万平の戦死の報を受け取ったかねは、女手一つで年寄りと子どもたちを養っていた。やがてかねは、同じ...
肉食系女子の林と草食系男子の緑敏 「清貧の書」(林芙美子)(「風琴と魚の町・清貧の書」)新潮文庫 東京へ来て四年になる「私」は、すでに三人の男の妻になっていた。二人目の夫はよく「私」を殴った。今の三人目の夫・与一は、平凡...
知らない職業がいっぱい 「デジタルの仕事がしたい」(杉山知之編)岩波ジュニア新書 子どもたちに将来考えている職業を尋ねると、何人かはこう答えます。「コンピュータにかかわる仕事をしたい」と。漠然としていますが、もちろんコン...