「黒い翼」(横溝正史)
金田一耕助の事件簿037 こちらも緑ヶ丘(金田一引っ越し前)の殺人事件です 「黒い翼」(横溝正史)(「毒の矢」)角川文庫 自殺した藤田蓉子の後を継ぐ形で映画スターに上りつめた原緋紗子。彼女の元にも多くの「黒い翼」が届いて...
金田一耕助の事件簿037 こちらも緑ヶ丘(金田一引っ越し前)の殺人事件です 「黒い翼」(横溝正史)(「毒の矢」)角川文庫 自殺した藤田蓉子の後を継ぐ形で映画スターに上りつめた原緋紗子。彼女の元にも多くの「黒い翼」が届いて...
金田一耕助の事件簿046 金田一耕助の町内で起きた殺人事件 「女の決闘」(橫溝正史)(「支那扇の女」)角川文庫 ロビンソン夫妻のパーティには緑ヶ丘の住人が招かれていた。川崎泰子が現れ、次いで藤本哲也・多美子夫妻が姿を見せ...
で、そこで思考が飛んでいってしまうのです 「鮨」(阿川弘之)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 上野に帰る車中で、「彼」はいただいた折り詰めの鮨の扱いに困惑する。到着後、夕食の約束があったからだ。しかし「彼」...
もしかしたら何かの暗喩なのでしょうか 「山彦」(鈴木三重吉)(「千鳥」)岩波文庫 病身の姉を訪ねた「自分」は、その山間の村で五日間の夏を過ごす。奥の間のの天井裏から一束の古い手紙を見つけた「自分」は、姉にも告げずにそれを...
はじめての洋書、それもシェイクスピア 「ビブリア古書堂の事件手帖7」(三上延)メディアワークス文庫 栞子は田中との約束を果たすため、古物商・吉原から太宰治の「晩年」を法外な高値で買い取らざるを得なくなる。その吉原は後日、...
月が創り出す異世界に墜ち込んでいく主人公たち 「残月記」(小田雅久仁)双葉社 家族四人で訪れたレストランで、まるで時間が止まったように人々が凝固している。大学教授・大槻が遭遇した事態の間、月は回転し、やがて裏面を向けて静...
予想は、ことごとく外されてしまいます 「金剛石の指輪」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 競りで購入したダイヤモンドを揃いの指輪に仕立てた新婚夫婦。ところが妻はその指輪をはめて数日後、指が徐々に腫れ、指輪が抜...
読みどころは登場人物の「抱えているもの」 「春の蝶」(道尾秀介)(「日本文学100年の名作第10巻」) 新潮文庫 「春の蝶」(道尾秀介)(「光媒の花」)集英社文庫 「わたし」の部屋の右隣に住む老人・牧川は一人暮らしだと思...
幸運をもたらしてくれ…ませんでした 「お守り」(ヴァッサーマン/山崎恒裕訳)(「百年文庫021 命」)ポプラ社 孤児院で暮らしたクリスチーネは女中として働き続けるが、貧しさからはなかなか抜け出せなかった。幾度も職場が変わ...
10代の傷つきやすく繊細な精神 「わたしはイザベル」(ウィッテイング/井上里訳) 岩波書店STAMPBOOKS 誕生日プレゼントをもらえない、「うそつき」と呼ばれる。イザベルは母親からの愛情を受けられなかった。18歳のと...