「白い蛾」(安部公房)
優しさを感じさせる文体や設定は、おそらくは罠 「白い蛾」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 船旅をする「私」は、船長に「白蛾丸」という珍しい船の名前の由来を尋ねる。船...
優しさを感じさせる文体や設定は、おそらくは罠 「白い蛾」(安部公房)(「題未定 安部公房初期短編集」) 新潮文庫(「安部公房全集001」)新潮社 船旅をする「私」は、船長に「白蛾丸」という珍しい船の名前の由来を尋ねる。船...
どうしても心に「ささくれ」をつくってしまう 「ラ氏の笛」(松永延造)(「百年文庫097 惜」)ポプラ社 「私」の友人・ラオチャンド(ラ氏)は、「私」が助手を務める病院に入院している。もはや死を覚悟しているラ氏は、ある月夜...
「人類の進化」の入門書として最適の一冊 「図解 人類の進化」(斎藤成也) 講談社ブルーバックス 人類は、猿人→原人→旧人→新人という段階を踏んで進化した、という説明を聞いたことがあるでしょう。この説明自体は大筋でそのとお...
人形佐七捕物帳148 夢遊病の影には必ずトリックが 「夜歩き娘」(横溝正史)(「完本 人形佐七捕物帳九」) 春陽堂書店 佐七が弁天お蝶から頼まれたのは、柏屋で起きた父親殺しの一件を調べて欲しいということだった。下手人とし...
金田一耕助の事件簿010 では、殺人鬼は誰? 「殺人鬼」(横溝正史)(「殺人鬼」)角川文庫 推理作家・八代は、駅からの帰り道、美しい女性・加奈子から、家の近くまで同道を頼まれる。加奈子を自宅まで送り届けた八代は、その後、...
谷崎作品を味わうなら、毒まで 「私」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅧ」)中公文庫 「私」と同室の学生三人は、寮での盗難を話題にしていた。犯人は下り藤の紋付きの羽織を着ていた。平田は当事者からの話を紹介しながら「私」の...
命を燃やし尽くしたかのような人物の「生涯」 「百年文庫022 涯」ポプラ社 「異父兄弟 ギャスケル」不器用で学業も仕事も上手くこなせない兄・グレゴリー。家族から冷ややかな目で見られる彼を、弟の「私」も同じように見下した態...
味わいどころはずばり、「奇跡」の数々です。 「奇跡をおこせる男」(H・G・ウェルズ/阿部知二訳)(「タイム・マシン」)創元SF文庫 奇跡を信じない男・フォザリンゲーは、酒場で奇跡について議論しているうち、ランプを逆さまに...