「隠れた手」(甲賀三郎)
否応なく事件に巻き込まれてしまうのです 「隠れた手」(甲賀三郎)(「盲目の目撃者」)春陽文庫 事情があって東洋ホテルの一室に入り込んでしまった「私」は、望まぬ結婚に関わる父と娘の、隣室での会話を盗み聴いてしまう。廊下への...
否応なく事件に巻き込まれてしまうのです 「隠れた手」(甲賀三郎)(「盲目の目撃者」)春陽文庫 事情があって東洋ホテルの一室に入り込んでしまった「私」は、望まぬ結婚に関わる父と娘の、隣室での会話を盗み聴いてしまう。廊下への...
つまり「ヤング・シャーロック」を味わう 「グロリア・スコット号」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの回想」) 光文社文庫 ホームズが「わたし」に見せた短い手紙、それはまったく意味をなさない文章だった。しかし...
表題「未必の故意」の指し示すものは何か? 「未必の故意」(安部公房)(「緑色のストッキング・未必の故意」) 新潮文庫 島のヤクザ者・江口が深夜、島民たちに撲殺される。島民の多くが彼の被害に遭っていたのだ。駐在の不在を狙っ...
探偵小説初のトロイカ体制による事件捜査 「血の文字」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 「余」が隣室の目科に付き従って向かったのは、殺人の現場だった。そこには財産持ちの老人が何者かに刺し殺され、さらに血で書か...
鮮烈に描かれるピカレスクロマン 「白昼の死角」(高木彬光)角川文庫 温泉宿で療養中の推理小説作家「私」が出会った男は、自身の犯した犯罪を静かに語り始める。それは専門の法律家さえも驚嘆するような、法律の死角や盲点を突いた大...
ただただ静かな時間が流れていく 「ネネコさんの動物写真館」(角野栄子)新潮文庫 ネネコさんが営む「動物写真館」、そこにはいろいろな注文が舞い込む。月を捕まえようとする犬、キリンと写真を撮りたい男の子、マンションでトラを飼...
状況が身近に感じられて仕方ありません 「鳥」(デュ・モーリア/務台夏子訳)(「鳥 デュ・モーリア傑作集」) 創元推理文庫 夜、窓を打つコツコツという音。気になったナットは窓を開けるが、そこから飛び込んできたのは一羽の鳥だ...
ほんとうの幸せとは何かという問い 「アウグスツス」(ヘッセ/高橋健二訳)(「メルヒェン」)新潮文庫 「お子さんにとって一ばんよいと思われることを考えてみなさい。かなえられるだろう」。隣家の老人の言葉を信じ、母親は「みんな...
これはもはや家宝!圧倒的迫力の杉本一文原画 「公式 角川文庫横溝正史カバー画集」(杉本一文)角川書店 角川春樹は、カバーの切り替えを敢行、新たなイラストレーターとして白羽の矢を立てたのが、当時まだ20代半ばの新進クリエイ...
欲望渦巻く富裕層社会の入り口としての「青列車」 「青列車の秘密」(クリスティ/青木久恵訳) ハヤカワ文庫 青列車のコンパートメント内で資産家令嬢ルースが殺害される。超高価な宝石が奪われていたため、当初は列車強盗の仕業と思...