「ビブリア古書堂の事件手帖6」(三上延)
古書によってつながる人々 「ビブリア古書堂の事件手帖6」(三上延)メディアワークス文庫 太宰治の「晩年」の稀覯本、それも署名ではないのに本人自筆とわかる珍しい書き込みのある珍本を探して欲しい。依頼をビブリア古書堂に持ち込...
古書によってつながる人々 「ビブリア古書堂の事件手帖6」(三上延)メディアワークス文庫 太宰治の「晩年」の稀覯本、それも署名ではないのに本人自筆とわかる珍しい書き込みのある珍本を探して欲しい。依頼をビブリア古書堂に持ち込...
改作における横溝の思考過程を読み取れる作品 「支那扇の女(原形版)」(横溝正史)(「金田一耕助の帰還」)光文社文庫 成城の住宅街で起きた二重殺人事件。現場から半狂乱で逃げ出した女は、自殺を図るが警官に止められる。その女・...
金田一耕助の事件簿054 「因縁、復刊!」の文字が躍る通りの強烈な「因縁」 「支那扇の女」(横溝正史)(「支那扇の女」)角川文庫 成城の住宅街で起きた二重殺人事件。現場から半狂乱で逃げ出した女は、自殺を図るが警官に止めら...
味わうべきは父と娘の距離感 「霊柩車」(瀬戸内寂聴)(「日本文学100年の名作第5巻」) 新潮文庫 夫との離縁が解決してまもなく、「私」は挨拶の意味をこめて父を見舞った。いつものように、訪れのノックを聞くなり、す早く戸を...
より一層、草壁皇子の悲哀に接近できる 「丹生都比売(原生林版)」(梨木香歩) 出版工房原生林 おじいさまは殺された、おとうさまに。おかあさまはお可哀いそう。誰の咎か。誰がこの責めを負うのか。…過ったものなどいない。誰も過...
面白い、そしてわかりやすい。すっきりしました。 「細胞発見物語」(山科正平) 講談社ブルーバックス オオカナダモの葉やタマネギの鱗片葉、ヒトの頬の粘膜などを酢酸カーミン液で染色し、顕微鏡を使って細胞を観察する。中学校2年...
男に理解できない岡本かの子の「女心」 「桃のある風景」(岡本かの子)(「女心についての十篇 耳瓔珞」) 中公文庫 桃花の中へ入ってしまえば、何もかも忘れた。一つの媚めいた青白くも亦とき色の神秘が、味覚に快い冷たさを与えた...
喜美子と君子の運命はいかに 「怪犯人」(横溝正史)(「双生児は囁く」)角川文庫 箱根湯本の温泉旅館。炎渦巻く中、女中・お君は銃を手にした怪しい男に出くわす。翌日、焼け跡からは一人の宿泊客の焼死体が。その男の頭は銃で撃ち抜...
もし横溝がこの学園裁判ものをシリーズ化していたら 「化学教室の怪火」(横溝正史)(「横溝正史探偵小説選Ⅰ」)論創社 「葛野くんは決して犯人ではありません」。M中学校化学教室放火事件の犯人として断罪されていた葛野を救ったの...
「不意に訪れる死」に振り回されながらも 「おおるり」(三浦哲郎)(「日本文学100年の名作第7巻」) 新潮文庫 何かにつけて同僚・彌太の死を思い出してしまう消防士の「彼」。ある日一人の女性が屯所を訪れ、鳥の啼き声について...