「百年文庫015 庭」
三者三様の「庭」の姿 「百年文庫015 庭」ポプラ社 「庭の眺め 梅崎春生」庭というほどのものではない。方六七間ばかりの空き地である。以前ぐるりを囲っていた竹垣は、今は折れたり朽ちたりして、ほとんど原型を失っている。あち...
三者三様の「庭」の姿 「百年文庫015 庭」ポプラ社 「庭の眺め 梅崎春生」庭というほどのものではない。方六七間ばかりの空き地である。以前ぐるりを囲っていた竹垣は、今は折れたり朽ちたりして、ほとんど原型を失っている。あち...
年上の女性との恋、明治の時代にはありえなかったか 「お猿の番人になるまで」(長谷川如是閑)(「ふたすじ道・馬 他三篇」)岩波文庫 酒飲みで暴力的な父親の家には帰りたくないと思っている留造は、釘造りの職工の親方から暇をもら...
長谷川如是閑、象に続いて馬です。 「馬」(長谷川如是閑)(「ふたすじ道・馬」)岩波文庫 可愛がっていた軍馬とともに退役となった騎兵将校・「少佐」。彼は自分が職を失したことよりも、愛馬・アカツキと離ればなれになることの方が...
何やらクリスティの「オリエント急行の殺人」 「汽車中の殺人」(三津木春影)(「明治探偵冒険小説集4」)ちくま文庫 松本行き列車の二等室中で、一人の女性が殺害される。発見時、室内は被害者一人であった。直前まで同乗していた若...
複数の出版社から出ている文庫本、どれを選ぶか? 「羅生門・芋粥」「偸盗・戯作三昧」「蜘蛛の糸・地獄変」「舞踏会・蜜柑」「杜子春・南京の基督」「藪の中・将軍」「トロッコ・一塊の土」「少年・大道寺信輔の半生」「河童・玄鶴山房...
古き良き時代の恋愛に浸りましょう 「片意地娘」(ハイゼ/関泰祐訳)(「百年文庫071 娘」)ポプラ社 「片意地娘」(ハイゼ/関泰祐訳)(「改訳 片意地娘 他三篇」)岩波文庫 若い船頭・アントニーノは、町娘・ラウレラに想い...
もっともジュヴナイルらしい作品が揃っている第4巻 「横溝正史 少年小説コレクション④青髪鬼」(横溝正史)柏書房 生きながらに死亡広告を出された三人。宝石王・古家万造、理学博士・神崎省吾、そして十三歳の少女・月岡ひとみ。...
満たされているがゆえの喪失感 「清水夫妻」(江國香織)(「日本文学100年の名作第9巻」) 新潮文庫 飼い猫が縁で、「私」は清水夫妻と親しくなる。この夫妻の唯一共通の趣味は、見ず知らずの人の葬式に行くことだった。夫妻はこ...
人と人を結びつけるのはやはり「会話」なのです 「鯉のいた日」(上野哲也)(「海の空 空の船」)講談社文庫 五月連休だというのにどこにも連れて行けない津村は、子どもたちに対して負い目を感じていた。明日が最後の休日だという日...
過去3作とは異なる趣、丸ごと一冊江戸川乱歩 「ビブリア古書堂の事件手帖4」(三上延)メディアワークス文庫 古書に関する「特別な相談」をしたいという依頼主のもとを訪れた栞子と「俺」。そこには夥しい数の江戸川乱歩の稀覯本があ...