「検事霧島三郎」(高木彬光)
本格探偵小説と社会派推理の見事な融合 「検事霧島三郎」(高木彬光) 角川文庫 光文社文庫 婚約者・恭子の父親・竜田弁護士に殺人の嫌疑がかかる。妾宅で愛人が殺害され、現場でヘロインが発見されたのだ。竜田弁護士は失踪、続いて...
本格探偵小説と社会派推理の見事な融合 「検事霧島三郎」(高木彬光) 角川文庫 光文社文庫 婚約者・恭子の父親・竜田弁護士に殺人の嫌疑がかかる。妾宅で愛人が殺害され、現場でヘロインが発見されたのだ。竜田弁護士は失踪、続いて...
加賀美のとった「異様な行動」の意味は何か? 「緑亭の首吊男」(角田喜久雄)(「霊魂の足」)創元推理文庫 加賀美が足を運んだ緑亭は、数日前に殺人事件があった店だった。片目の男・橋本が殺害され、店の主人・松太郎が首吊り自殺を...
最新科学捜査か、それともエセ科学? 「赤耀館事件の真相」(海野十三)(「盗まれた脳髄」)河出文庫 赤耀館の顛末は、新聞記事で既によくご存知のことと思います。いや、貴方はあの事件について、最も興味と疑惑とを持っていらっしゃ...
学校教育の現状と課題を冷静に分析 「発達障害の子どもたち」(杉山登志郎) 講談社現代新書 発達障害の治療とは治療教育である。医学的治療は治療教育の側面援助を果たすに過ぎない。いくつかの発達障害において医学治療が主体を担う...
妖しい魅力を放つ毒娘と危険な罠に落ちる青年 「ラッパチーニの娘」(ホーソーン/岡本綺堂訳)(「世界怪談名作集」)河出文庫 医大生・ジョヴァンニの下宿先の主は、ラッパチーニという医師であった。彼はその娘・ベアトリーチェの美...
中学校一年生の心で読むべきSFジュヴナイル 「二十四時間の侵入者」(眉村卓)(「二十四時間の侵入者」)角川文庫 何もない空間から突然現れた少年は、明らかに敵意のある目をしていた。目撃した隆一と未代子の学校にも、その少年は...
マゾヒズム、谷崎でなければ描けない世界。 「潤一郎ラビリンスⅡ」(谷崎潤一郎) 中公文庫 マゾヒストとは、谷崎潤一郎が「日本におけるクリップン事件」の冒頭に述べているように、クラフト・エビングによって命名された「異性に虐...
映画が描く、古い時代の終焉 「シナリオ 悪霊島」角川文庫 あの事件はぼくにとって何だったのか?そしてあの島は?たしかに血なまぐさい風が島を襲いあれ狂ったけれども、今思うにあの島での一か月の日々こそ、もう二度と足を踏み入れ...
金田一最終作!圧巻のシリーズ集大成 「悪霊島」(横溝正史)角川書店 「悪霊島(上)」「悪霊島(下)」(横溝正史)角川文庫 米国で成功した富豪・越智竜平が凱旋帰島し、不穏な空気が漂う刑部島。依頼人の命を受けて金田一は島に渡...
少年探偵団シリーズに創作の軸足を移すかのような… 「吸血鬼」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第6巻」)光文社文庫 三谷が愛した女性・倭文子を狙う怪人「唇のない男」。怪人は音もなく現れ、煙のように消え去る。倭文子の息子・茂...