「隠れた手」(甲賀三郎)
否応なく事件に巻き込まれてしまうのです 「隠れた手」(甲賀三郎)(「盲目の目撃者」)春陽文庫 事情があって東洋ホテルの一室に入り込んでしまった「私」は、望まぬ結婚に関わる父と娘の、隣室での会話を盗み聴いてしまう。廊下への...
否応なく事件に巻き込まれてしまうのです 「隠れた手」(甲賀三郎)(「盲目の目撃者」)春陽文庫 事情があって東洋ホテルの一室に入り込んでしまった「私」は、望まぬ結婚に関わる父と娘の、隣室での会話を盗み聴いてしまう。廊下への...
「生きる」ことの意味を問い直す 「いのちの初夜」(北條民雄)(「いのちの初夜」)角川文庫 「いのちの初夜」(北條民雄)(「百年文庫068 白」)ポプラ社 「いのちの初夜」(北條民雄)(「日本近代短篇小説選 昭和篇1」) ...
シェイクスピア作品のエッセンスを堪能する 「シェイクスピア物語」(ラム/矢川澄子訳)岩波少年文庫 海のなかの、とある島です。住民は二人きりで、プロスペロという老人と、その娘のミランダという、なかなかきれいな乙女でした。ミ...
つまり「ヤング・シャーロック」を味わう 「グロリア・スコット号」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの回想」) 光文社文庫 ホームズが「わたし」に見せた短い手紙、それはまったく意味をなさない文章だった。しかし...
表題「未必の故意」の指し示すものは何か? 「未必の故意」(安部公房)(「緑色のストッキング・未必の故意」) 新潮文庫 島のヤクザ者・江口が深夜、島民たちに撲殺される。島民の多くが彼の被害に遭っていたのだ。駐在の不在を狙っ...
豊富な写真が語る、戦争の実態 「戦争を止めたい」(豊田直巳) 岩波ジュニア新書 不運を呪うべきでしょうか。それとも、この世の地獄を自分の目で見ることを幸運と呼ぶべきでしょうか。私は連日の空爆にさらされるバグダッドの街を、...
探偵小説初のトロイカ体制による事件捜査 「血の文字」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 「余」が隣室の目科に付き従って向かったのは、殺人の現場だった。そこには財産持ちの老人が何者かに刺し殺され、さらに血で書か...
「不登校」にはまだまだ大きな可能性がある 「不登校でも大丈夫」(末富晶) 岩波ジュニア新書 不登校と言うと学校に行っていないその間が何の経験もない「0」の時間だと捉えられることも多いのですが、当然のことながらそんなことは...
危険な自由人、その名はドン・ジュアン 「ドン・ジュアン」(モリエール/鈴木力衛訳)岩波文庫 希代の女たらしドン・ジュアンは、狙いをつけていた娘をたぶらかすことに失敗し、その後に出会った田舎娘二人も口説き落とせず、気が立っ...
鮮烈に描かれるピカレスクロマン 「白昼の死角」(高木彬光)角川文庫 温泉宿で療養中の推理小説作家「私」が出会った男は、自身の犯した犯罪を静かに語り始める。それは専門の法律家さえも驚嘆するような、法律の死角や盲点を突いた大...