「源氏物語 幻」(紫式部)
俗世での穏やかな最後の一年 「源氏物語 幻」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 最愛の妻・紫の上を失った源氏は、年が明けても喪に服したまま悲嘆の淵に沈んでいた。いよいよ出家を決意した源氏は、その準備として、紫の上の手紙をは...
俗世での穏やかな最後の一年 「源氏物語 幻」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 最愛の妻・紫の上を失った源氏は、年が明けても喪に服したまま悲嘆の淵に沈んでいた。いよいよ出家を決意した源氏は、その準備として、紫の上の手紙をは...
音・いい女・離れていく女 「百年文庫005 音」ポプラ社 「台所のおと 幸田文」病床にある佐吉は、台所で働く妻の音を聞こうと寝返りを打つ。妻・あきは、夫の治らざる病状を悟られまいと、気持ちを押しとどめて立ち働く。しかし、...
彩瀬まるの独特な感性 「指のたより」(彩瀬まる)(「骨を彩る」)幻冬舎文庫 妻を失い、一人娘と二人暮らしの津村は、心揺れる女性と交際を続けている。娘は応援してくれるものの、しかし彼は次の一歩が踏み出せないでいた。それは彼...
ジュリアンの苦悩こそが本作品の味わいどころ 「聖ジュリアン伝」(フローベール/谷口亜沙子訳)(「三つの物語」)光文社古典新訳文庫 「聖ジュリアン伝」(フローベール/太田浩一訳)(「百年文庫007 闇」)ポプラ社 将来の成...
こうした本は貴重な文化遺産 「子を貸し屋(作品集)」(宇野浩二) 新潮文庫 横浜の芸者屋へ身売りした元妻が、ある夜、「私」を訪ねてきた。「私」はそのとき貧乏のどん底であり、下宿を追い出される寸前であった。夕飯も食べていな...
三種の収録本から見えてきた作品の姿 「島守」(中勘助)(「犬 他一篇」)岩波文庫 「島守」(中勘助)(「百年文庫028 岸」)ポプラ社 「島守」(中勘助)(「日本文学100年の名作第2巻」) 新潮文庫 明治四十四年九月二...
家族って何だ? 今、家族の在り方が変わっています。大家族から核家族へと移行したのはもはや過去。母子家庭、父子家庭、家庭内別居、夫婦別姓、…いずれ同性婚が認められれば、母2人と子1人などという家族の形も出現するのでしょう。...
紫の上に見る、作者の人物設定の「影」 「源氏物語 御法」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 ここ数年体調を崩していた紫の上は、酷暑の中で一層衰弱する。幼い若宮たちの見舞いを受け、紫の上は、その成長を見届けることのできない我...
夕霧の滑稽な役回り 「源氏物語 夕霧」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 病の一条の御息所を見舞う夕霧は、女二の宮へ恋心を訴えながら一夜を明かしてしまう。それは周囲の誤解を招き、母子ともども苦悩する。やがて届いた御息所から...
他者意識を前提とした読解力 「やりなおし高校国語」(出口汪) ちくま新書 まさに表題どおり、高校の国語の授業をやり直さなければならないと感じさせる一冊です。作品を「読む」とはこういうことだったのか、と改めて思い知らされま...