「ぶな屋敷」(ドイル)
やはり「うまい話にはウラがある」のです 「ぶな屋敷」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの冒険」) 光文社文庫 ぶな屋敷と呼ばれる邸宅で住み込みの家庭教師を引き受けた若い女性・ハンターが、ホームズを訪れる。彼...
やはり「うまい話にはウラがある」のです 「ぶな屋敷」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの冒険」) 光文社文庫 ぶな屋敷と呼ばれる邸宅で住み込みの家庭教師を引き受けた若い女性・ハンターが、ホームズを訪れる。彼...
では、本当の「ぼく」はいったいどれ? 「バベルの塔の狸」(安部公房)(「壁」)新潮文庫 詩人である「ぼく」は、自らの空想を「とらぬ狸の皮」と名付けた手帳に書き込んでいた。ある日、P公園で出くわした狸のような奇妙な獣は、「...
「町」と「人」の、何と淀んでいることか 「廃市」(福永武彦)(「百年文庫069 水」)ポプラ社 「僕」が紹介された旧家・貝原家には、おばあさんとその娘・安子がいるだけで、若夫婦とは顔を合わすことがなかった。ある日、墓参り...
日本が選択したのは「人命軽視」 「太平洋戦争 日本の敗因3」(NHK取材班)角川ソフィア文庫 マリアナ沖海戦での失敗が、科学的に分析されていれば、若者の命を特攻によって粗末にすることの無意味さを悟ることもできたはずである...
その後味の悪さこそ、本作品の味わい 「麦の海に沈む果実」(恩田陸) 講談社文庫 北の湿原地帯にある全寮制の学園。二月最後の日に転入してきた理瀬は不安に襲われる。三月以外の転入生は破滅をもたらすという言い伝えが学園にあった...
ミステリの源流をたどるつもりで味わうべき 「紳士の行ゑ」「間違ひ」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 豪商塩田商会店主丹三が最愛の妻子を残し、行方知れずとなる。それまで家を空けたことのなかった店主の失踪であり...
読み手は否応なしに、谷崎に弄ばれる 「美食倶楽部」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅦ」)中公文庫 きっと今迄誰かが阿片を吸っていたのでしょう。御覧なさい。ここに小さな穴があります。ここから覗くと宴会の模様が残らず分かり...
彼はいったい何から「逃げた」のか? 「男鹿」(田村泰次郎)(「百年文庫088 逃」)ポプラ社 ある冬の寒い日、一人の男が、私を訪ねてきた。「大木戸登を、ご存じでしょう?」私は知っていると答えた。知ってはいるが私は大陸の戦...
「真剣」と「滑稽」、生の現場の迫力 「看護師という生き方」(宮子あずさ) ちくまプリマー新書 看護師という仕事は、働く人の人間性に強く働きかけ、特有の人生を生きることになります。平たく言えば、看護師として働き続けていくに...
因果が、やはり廻ってくるとすれば、いったい… 「少女」(湊かなえ)双葉文庫 人の死の瞬間を見たい。転入生・紫織の告白を聞き、そう願った二人は、それぞれの方法で、目的を達成しようと試みる。敦子は老人ホームで入居者の死を確か...