「ひよこの眼」(山田詠美)
語り手「私」が気づいていないことを気づかなくてはいけない 「ひよこの眼」(山田詠美)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 転校してきた幹生の眼は、「私」になぜか懐かしさを感じさせた。その原因が何であるかわからぬ...
語り手「私」が気づいていないことを気づかなくてはいけない 「ひよこの眼」(山田詠美)(「日本文学100年の名作第8巻」) 新潮文庫 転校してきた幹生の眼は、「私」になぜか懐かしさを感じさせた。その原因が何であるかわからぬ...
貪欲に生を貪ろうとする老妓のエネルギー 「老妓抄」(岡本かの子)(「老妓抄」)新潮文庫 「老妓抄」(岡本かの子)(「岡本かの子全集第5巻」)ちくま文庫 長年お座敷をつとめ、財を成した老妓が、ふとした気まぐれで発明家志望の...
三者三様の生き方、死に方 「百年文庫021 命」ポプラ社 「レナ・ヴィース シュトルム」少年時代の「私」の、かけがえのない友人のパン屋の娘レナ・ヴィース。彼女は幼い頃にかかった疱瘡の跡さえなければ美しい女性であったに違い...
優れた文学作品は同時に、優れたミステリでもある 「レ・ミゼラブル」(ユゴー/永山篤一訳)角川文庫 彼には二つの道が見えていた。それまでの人生で、道は一本だと思い込んでいた彼にとって、道が複数見えるのが恐ろしかった。さらに...
「近代化された人間」への変化の啓蒙として 「レ・ミゼラブル」(ユゴー/永山篤一訳)角川文庫 胸のなかで、恐ろしい歓喜の雄叫びを上げる。これで一件落着だ。これで、わたしの邪魔をする人間はいなくなる。自発的に、勝手にみずから...
金田一耕助の事件簿028 あえて事件を解決せずに迷宮入りさせる金田一 「廃園の鬼」(横溝正史)(「壺中美人」)角川文庫 建築学上のあらゆる法則を無視した不可思議な建物は、未完成で放置され、化け物屋敷と呼ばれるにいたった。...
金田一耕助の事件簿034 被害者総数9名、警察は何をしている! 「吸血蛾」(横溝正史)角川文庫 アトリエに送り込まれた木箱の中には、乳房を食いちぎられた女性の死体が。それはファッション界の女王・浅茅文代の専属モデル・加代...
ところがそれで終わりではありません 「おさる日記」(和田誠)(日本文学100年の名作第6巻) 新潮文庫 ×月×日おとうさんがかえってきた。おとうさんはおみやげをぼくにくれた。おさるをくれた。まだちいさいおさるです。×月×...
いつ迫るか知れない危機を警告しようとする一冊 「太陽と地球のふしぎな関係」(上出洋介)講談社ブルーバックス 「絶対君主と無力なしもべ」。サブタイトルとして付されているこの言葉が、本書の内容の骨子を十全に表しています。太陽...
表面に現れているメルヒェンが本質なのだろうか 「ブランビラ王女」(ホフマン/大島かおり訳)(「くるみ割り人形とねずみの王さま/ ブランビラ王女」) 光文社古典新訳文庫 悲劇役者・ジーリオは、夢の中で美しい王女と出逢い、...