「物言ふ心臓」(ポー)
読み手は五里霧中を彷徨うように 「物言ふ心臓」(ポー/渡辺温訳)(「ポー傑作集」)中公文庫 「告げ口心臓」(ポー/小川高義訳)(「黒猫/モルグ街の殺人」) 光文社古典新訳文庫 貴方は私を狂人だと思ふでせう。狂人は何も知つ...
読み手は五里霧中を彷徨うように 「物言ふ心臓」(ポー/渡辺温訳)(「ポー傑作集」)中公文庫 「告げ口心臓」(ポー/小川高義訳)(「黒猫/モルグ街の殺人」) 光文社古典新訳文庫 貴方は私を狂人だと思ふでせう。狂人は何も知つ...
ファンタジー、いや妄想 「太陽の塔」(森見登美彦)新潮文庫 彼女の名前は水尾さんという。長きに亘り、私は「水尾さん研究」を行ってきた。作成されたレポートは十四にのぼり、四百字詰め原稿用紙に換算して二百四十枚の大論文である...
自然災害が直撃するのはいつも貧しい人間 「雨」(広津柳浪)(「今戸心中 他二篇」)岩波文庫 今日で十日ばかりと云ふもの、一時間とは靑空を仰いだ事がない霖雨に、なべての人氣を腐らす中にも、其日々々に朝夕の料を稼がねばならぬ...
日本ミステリ史屈指の難事件、神津敗北。 「人形はなぜ殺される」(高木彬光) 角川文庫 魔術の発表会の楽屋において、断頭手品の種の「人形の首」が何者かに盗まれる。その首は、ギロチンで首を切断された死体の傍らに転がっていた。...
地方発の日本再生という希望 「地方消滅 創生戦略篇」(増田寛也・冨山和彦)中公新書 人口減少は当面止まらない。地方は、安易に「人口増加」や「人口維持」「地域活性化」という言葉を口にするのではなく、人口が「減る」、さらには...
読み手の視覚・嗅覚・聴覚に放たれる圧倒的エネルギー 「クリストファー男娼窟」(草間彌生) 角川文庫 クリストファー街の黒人美少年ヘンリーは、ヘロイン中毒で金に飢えていた。彼はヤンニーの斡旋する男性に貸し出される。今回は一...
一分間で立ち現れる疑似空間 「ショート・ショート 一分間だけ」(眉村卓)角川文庫 ぼくは一策を案出しました。登場人物の名前の最初の音をアイウエオの順にして行こう。アキラではじまったら、次はイサム、その次は……として行けば...
親子で語り合う「法」のあれこれ 「父と娘の法入門」(大村敦志) 岩波ジュニア新書 「私たちが知っている「法」っていうと,日本国憲法とかかな」「憲法は中学校や高校で習うんだけど,誰もが知っていると言ったのは,憲法のことじゃ...
筆者の背中を見て学ぶ「文章教室」 「働きながら書く人の文章教室」(小関智弘)岩波新書 持って生まれた才能というものを、わたしはほとんど信じない。文章を書くという作業は孤独だけれど、書いたものについて語り合える仲間を持つこ...
怪盗ルパン登場!やっぱりジュヴナイル 「黄金仮面(少年探偵)」(江戸川乱歩) ポプラ社 「明智君、きみはいまみょうなことをいったね」「波越君、黄金仮面こそ、アルセーヌ=ルパンだったんだよ」「フランスの怪盗ルパンが、どうし...