「隼の勝利」(久山秀子)
「アバター」の先駆け、「なりすまし」の嚆矢 「隼の勝利」(久山秀子)(「新青年傑作選集5」)角川文庫 「あたし」が金時計をすり取った紳士は、殺人事件の容疑者らしい。探偵・富田からそれを聞いた「あたし」は、一緒に尾行する。...
「アバター」の先駆け、「なりすまし」の嚆矢 「隼の勝利」(久山秀子)(「新青年傑作選集5」)角川文庫 「あたし」が金時計をすり取った紳士は、殺人事件の容疑者らしい。探偵・富田からそれを聞いた「あたし」は、一緒に尾行する。...
明治の知識人の精神の高揚を感じる 「子供と旅」(田山花袋)青空文庫 十歳になる男の児を連れて、明治四十四年の元日を上諏訪温泉で迎えた「私」。男の児は、見たものに次から次へと興味を示す。誰も沸かす人がいないのに湯が湧き出る...
逃亡者、かく逃げおおせたり! 「三人の見知らぬ客」(ハーディ/井出弘之訳)(「百年文庫088 逃」)ポプラ社 嵐の夜、子どもの誕生を祝う祝宴の催されている家に、見知らぬ男が雨宿りを願い出る。人のいい主人は男を招き入れるが...
自らの心の中に、自らの行動を律する「規律」をもつ 「自由と規律」(池田潔)岩波新書 ある行為をして善いか悪いかはすでに決っていて、その人間をしてこの決定に服せしめる力が規律である。すべての規律には、これを作る人間と守る人...
「動物のケア」「飼うことの責任」「死ぬということ」 「ぼくとニケ」(片川優子)講談社 幼馴染みの仁菜が、薄汚れた子猫を拾って「ぼく」の家に連れてきた。自分の家では飼えないために、代わりに「ぼく」に飼って欲しいのだという。...
驚きの真犯人が最後に明らかに 「名馬シルヴァー・プレイズ」(ドイル/日暮雅通訳)(「シャーロック・ホームズの回想」) 光文社文庫 大レースの本命馬・シルヴァー・プレイズが行方不明となり、その調教師が斬殺されるという事件が...
完成していれば傑作長篇サスペンス小説となった… 「鮫人」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅨ」)中公文庫 服部に惚れられたと目されて居る女優は、此の劇団のソプラノ唄いの林真珠と云う少女だったのである。彼女は斯う云う社会に...
それだけいい人間になることができる 「異父兄弟」(ギャスケル/松岡光治訳)(「ギャスケル短篇集」)岩波文庫(「百年文庫022 涯」)ポプラ社 不器用で学業も仕事も上手くこなせない兄・グレゴリー。家族から冷ややかな目で見ら...
地球史上もっともスリリングな時代・中生代 「生命の大進化40億年史 中生代編」(土屋健)講談社ブルーバックス 「超温暖期」ともいえる白亜紀、爬虫類はその地位を盤石なものとしていきます。世界各地では、さまざまな恐竜類が生態...
本作品はいったい何を擬えたものか? 「狐憑」(中島敦)(「中島敦全集1」) ちくま文庫 ネウリ部落のシャクに憑きものがしたという評判である。色々なものがこの男にのり移るのだそうだ。鷹だの狼だの獺だのの霊が哀れなシャクにの...