「襤褸の光」「浅草公園」(谷崎潤一郎)
谷崎独特の、美の基準・芸術観・浅草観 「襤褸の光」「浅草公園」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅨ」)中公文庫 浅草公園観音堂の付近をうろつく、若い孕み女の乞食。「私」は彼女に、否み難い美しさの潜んでいることを発見する。...
谷崎独特の、美の基準・芸術観・浅草観 「襤褸の光」「浅草公園」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅨ」)中公文庫 浅草公園観音堂の付近をうろつく、若い孕み女の乞食。「私」は彼女に、否み難い美しさの潜んでいることを発見する。...
奴隷である少年と少女の、分厚い硝子越しの恋の結末 「天鵞絨の夢」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅥ」)中公文庫 奴隷たちの半数は男、半数は女、多くは上海あたりで生まれた日本人、支那人、印度人、猶太人、葡萄牙人であったら...
同情できるかといえば、決してそうではない 「城の人々」(チャペック/石川達夫訳)(「百年文庫056 祈」)ポプラ社 住み込みの家庭教師・オルガは打ちひしがれていた。意地悪な子ども・マリー、腕白な男の子・オスヴァルト、泥棒...
改めて漱石作品の魅力に気づかされました 「文豪ナビ 夏目漱石」(新潮文庫編) 新潮文庫 漱石が残したたくさんの名作は、一つ一つが、新しい世界へ読者を導く「門」だ。「生きる」ことの道程にそびえ立つ「門」。いくつもの門をくぐ...
筋書きや作品構造そのものが「横溝っぽい」のです。 「ビブリア古書堂の事件手帳Ⅱ」(三上延)メディアワークス文庫 訪れた上島家は、旧華族に連なる由緒ある家だった。女主人の死とともに忽然と姿を消した一冊の古書。その捜索が栞子...
もしかしてアニメの「ルパン」の先駆け!? 「ルパン大盗伝」(横溝正史)(「横溝正史探偵小説選Ⅰ」)論創社 ルパンが助けた老婆は、実は掏摸だった。ルパンは老婆を尾行し、その部屋へと侵入する。だが、そこに待ち受けていたのは二...
ギリンガムこそ、あの金田一耕助のモデルだった! 「赤屋敷殺人事件」(A.A.ミルン/横溝正史訳)論創社 友人を訪ねて赤い館を訪れたギリンガムは、鍵のかかった扉を叩くケイレイと遭遇する。銃声が聞こえたというのだ。窓から室内...
文学とも幼児教育とも関わりのなかった人物がなぜ? 「八ツ山羊」(呉文聡)(「日本児童文学名作集(上)」)岩波文庫 むかしむかし八ツ子をもちし牝山羊ありけり、なかよくおしよ。ある日市街に行かんとして子どもらにむかひ、るすの...
鋭利な爪で読み手の心を突き刺してくる 「爪王」(戸川幸夫)(「百年文庫020 掟」)ポプラ社 鷹匠は若鷹に「吹雪」と名附けた。命名は野生との訣別を意味する。鷹匠の家族の一員としての再出発であった。忍従の歳月だった。鷹は野...
写真、情報が豊富、いや、筆者の情熱が溢れている 「淡水微生物図鑑」(月井雄二) 誠文堂新光社 原生動物は小さいので、ゾウリムシ、アメーバ、アオミドロ、ミカヅキモくらい知っていれば、後はたいして違わないだろうと思っていませ...