「病蓐の幻想」(谷崎潤一郎)
谷崎は地震が大嫌いだった 「病蓐の幻想」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅦ」)中公文庫 神経衰弱に取り憑かれて病床に伏している「彼」は、虫歯も患い、その激痛のあまり、精神が変調を来す。さらには今晩大地震が起こるという妄...
谷崎は地震が大嫌いだった 「病蓐の幻想」(谷崎潤一郎)(「潤一郎ラビリンスⅦ」)中公文庫 神経衰弱に取り憑かれて病床に伏している「彼」は、虫歯も患い、その激痛のあまり、精神が変調を来す。さらには今晩大地震が起こるという妄...
異様さばかりが目につくのですが 「にんじん」(ルナール/窪田般彌訳) 角川文庫 赤い髪とそばかすのため、家族から「にんじん」という仇名で呼ばれている少年。彼は姉兄二人と比べ、不当な扱いを受けている。押し付けられる雑用、差...
読んで明るくなれる書簡体小説 「あしながおじさん」(ウェブスター/松本恵子訳) 新潮文庫 孤児院の少女・ジルーシャは、17歳のある日、幸せを手にする。月に一度、学生生活のようすを報告する条件で、大学に通わせてくれるという...
救われることのない哀しい生き方 「しずかな日々」(椰月美智子) 講談社文庫 祖父との生活も馴染んできた「ぼく」。親友押野とともに夕食の買い物に出かけたスーパーに、たまたま母と仕事仲間のみどりさんがいた。「ぼく」の買い物か...
第3学年12月 人間とは何か? 読書の醍醐味は、現実では味わうことのできない状況を体験できることです。特に、特殊な人間の登場する世界を堪能できることは貴重です。この8冊には、現実世界ではなかなかお目にかかることのできない...
女三の宮と源氏、それぞれの孤独 「源氏物語 鈴虫」(紫式部)(阿部秋生校訂)小学館 女三の宮の持仏開眼供養が営まれるが、源氏と女三の宮の心はすれ違うばかりであった。秋の夜、女三の宮を源氏が訪ねていた折、蛍兵部卿の宮や夕霧...
学校図書館はもはや静的な場所ではない 「みんなでつくろう学校図書館」(成田康子)岩波ジュニア新書 えっ、学校図書館をつくるのは、司書の先生や図書委員じゃないの?という驚きが聞こえてきそうなタイトルです。しかし、読み進める...
距離は広がる、距離感は狭まる 「斑鳩物語」(高浜虚子)(「百年文庫005 音」)ポプラ社 急がしけに走ってでたのは十七八の娘である。田舎娘にしては才はじめた顔だちだ。手ばしこく余の荷物を受取って先に立つ。廊下を行っては三...
40年ぶりに出会った懐かしい一冊 「ぼくのおじさん」(北杜夫)新潮文庫 小学校6年生の「ぼく」の家には居候の「おじさん」がいる。一応、大学の講師だがぐうたらでだらしがない。その「おじさん」について「ぼく」が書いた作文が、...
これからの時代の生き方の指針や考え方 「コロナ後の世界を生きる」(村上陽一郎編)岩波新書 第2波の危機的状況の山場を超えたとはいえ、コロナの猛威は依然注視していかなくてはならない状況です。世界はすでにワクチン開発などポス...